2008年10月度のコンビニ売上高は天候良好・キャンペーン・「タスポ特需」継続で既存店は8.1%のプラス
2008年11月22日 12:00
日本フランチャイズチェーン協会は11月20日、2008年10月度におけるコンビニエンスストアの統計調査月報を発表した。それによると10月は全般的に温暖な日が多く、一部チェーン店で実施したキャンペーンが好調だったこと、さらに成人識別たばこカード「タスポ」の影響がまだ継続しており、来客数やたばこの売り上げは堅調に推移。結果として既存店ベースの売上高は前年同月比で+8.1%に達した(【発表リリース、PDF】)。
スポンサードリンク
今調査の概要は、月次展開一覧を収録しているページ【コンビニエンスストア(日本フランチャイズチェーン協会発表)】上で説明が行われている。そちらで確認のこと。
各データについて前年同月比は次のようになる。
●店舗売上高:既存店は6か月連続のプラス、全店は16か月連続プラス
・全店ベース……+10.5%
・既存店ベース…+8.1%
●店舗数
・+1.7%
●来店客数:既存店は7か月連続プラス、全店は27か月連続プラス
・全店ベース……+9.5%
・既存店ベース…+7.4%
●平均客単価:既存店は3か月連続プラス、全店は6か月連続プラス
・全店ベース……+0.9%(579.1円)
・既存店ベース…+0.6%(569.4円)
●商品構成別売上前年同月比(全店ベース)
・日配食品……+3.1%←おにぎり、弁当、デザートが堅調
・加工食品……+3.3%
・非食品………+29.7%←スーパーノヴァ的タスポ効果継続
・サービス……+1.4%
・合計…………+10.5%
※既存店……1年以上営業中の店舗
10月は頭と終わりをのぞき温暖な日が多かったこと、一部チェーン店で実施されたキャンペーンが堅調に推移したこと、さらに「タスポ」効果が継続したこともあり、プラス要因ばかりが積み重なった結果、大きなデータ上の伸びを見せることになった。物価高のせいもあるが、客単価も伸びているのが好ましい。
キャンペーンの成功
「タスポ特需」。
この3点が10月の
成功要因
民間調査機関の結果(【今や自販機は脇役か・コンビニでたばこを買う人は8割に達する】)によれば、実に8割の人が「コンビニでたばこを買う」と回答しており、先月の月次コメントで触れた雪崩式の「自動販売機からコンビニへ」という、たばこ購入経由の変更現象が確かなものであり、コンビニの業務成績を下支えしていることが改めて実感できる。
一方で昨今一部地域で叫ばれている「省エネ(が一応大義名分ではあるが以下略)のための深夜営業の停止」論争は一進一退の攻防戦を繰り広げつつあるが、同時に【電力消費量は-12.6%・京都府内に和風で省エネなセブンイレブン登場】などのようにコンビニ側でも逐次「エネルギー節約」の動きを見せている。省エネ≒支出削減であるため、一連の動きがかえってコンビニ業界の財務体質を改善する結果に達する可能性もありうる。
数字の増減は前年比で見ているため、タスポが全国導入された今夏+1年、つまり来年までは「タスポ特需」が見込めよう。その後も特需が継続しているような数字の上昇が見られるなら、全国導入後も「たばこ購入は自動販売機からコンビニへ」の流れがさらに加速していると見て良いだろう。
なお4月から過去データについては(他の産業月次レポート同様に)まとめページにリンク集を掲載している。過去のデータは【まとめページ】からたどってほしい。
■関連記事:
【コンビニでたばこの売り上げが急増している件について】
スポンサードリンク
ツイート