日英折り紙合戦・ただし用紙は1枚も無駄に出来ないアレ

2008年11月12日 19:40

お札折り紙イメージ【Mail Online】に目を引く写真が掲載されていた。一見少々いびつな格好の鯉(こい)の模型……なのだが、良く見るとさにあらず。アメリカの1ドル札などで作られた、非常に「高価な趣味のたまもの」だったわけだ。よい機会なので元記事の本文や彼のギャラリー、さらには類似の(といっても記事タイトルで分かるか(笑))造形も合わせて紹介することにしよう。

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1ドル札1枚のみで作られた鯉(こい)
1ドル札1枚のみで作られた鯉(こい)

まずはMail Onlineの素材。こちらはWon Parkというハワイ在住のアメリカ人(38歳)。彼は5歳の時に折り紙を母親から教わり、その魅力に取り付かれたという。そして修練を重ねるにつれて自分の技術を高め、中学生時代にお札を使うことを覚える。以降、折り紙の紙に紙幣を使うという、ある意味「もっともぜいたくな趣味」を持つようになった次第。

こちらはクモ。1ドル札2枚で作成
こちらはクモ。1ドル札2枚で作成

彼のギャラリーサイトは【こちらになるが】実に巧みな作品で埋め尽くされている。Mail Onlineでは鯉以外にスターウォーズやスタートレックの宇宙船、さらにはクモまでが生を受けている。驚くべきことにこれらの造形は必要最小限のお札で作られ、切り抜きなどは一切されていないこと。例えば上の鯉は1ドル札1枚、下のクモは2枚のみで作られている。

ペガサス。ちょっと画質が悪いかも。
ペガサス。ちょっと画質が悪いかも。
ドラゴン。しっぽの部分など良く出来ている
ドラゴン。しっぽの部分など良く出来ている。

切り貼りをせずにこの形を作るだけでも超人的センスであることは誰も否定できないのに、よく見るとさらに驚くべきことが分かる。例えば一番上の「鯉」だが、1ドル札の渦巻きの模様の部分がちょうど目の部分に位置し、単なる模様が見事に「目」のように見える折られ方をしているのだ。他の折り紙もそれぞれが皆、元の1ドル札の模様をうまく使いこなし、それぞれの雰囲気をよく表している。

日本にもいました、お札の折り紙達人

アル中Masa氏の作品イメージ「お札の折り紙? はて、どこかで聞いたような」と頭に疑問符を浮かべる人もいるだろう。日本でも数年来【アル中Masaさん】による、お札を使った折り紙遊びが静かなブームを呼んでいる。詳細はサイトで確認してほしいが、こちらもお札(こちらはドル札ではなく日本銀行券)を使い、しかも模様をたくみに利用し、色々な造形を作り出している。もちろんこちらもお札を切ったり傷つけるような行為は一切していない。国内外を問わず「お札の折り紙師」のポリシーは変わらないようだ。

特に千円札の野口英世氏の肖像(とりわけ顔の部分)を使った折り紙に秀作が多い。かの野口英世氏も自身がお札の絵柄になるとは思っていなかっただろうし、それがさらに折り紙のネタとして多くの人に楽しまれていることなど、想像すらできなかったに違いない。


風水によればお札をおサイフに入れる時には、折り目をつけることすら良くないといわれている。きれいに伸ばして同じ方向に、大きな金額の札を上にして入れるのが良いようだ。ましてや折り紙にして楽しむなど、想定外のお話。

とはいえ、決してお札を粗雑に扱っているわけではない。作った本人も見た人たちも、そして場合によっては渡された人も、心が和み気持ちが穏やかになる。時と場合を選ぶのはもちろんだが、生活にうるおいをもたらすための折り紙なら、きっと許されるたぐいのものなのだろう。

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