西友が年末に向けて1700品目を値下げ

2008年11月08日 12:00

安売りイメージ西友は11月7日、食品・日用品・住居用品などを中心に、年末までに合計で1700品目ほどの価格引下げを実施すると発表した。自社で展開しているプロモーション「EDLP(エブリディ・ロープライス)化」(毎日お買い得)の流れを踏まえたもので、さらに円高を背景に輸入品の値下げを進めるというもの(【発表リリース、PDF】)。11月10日から西友全店舗で順次行われる。

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西友では去年から「毎日お買い得」を提供するEDLP化を推進。日用雑貨やデイリー食品、飲料、加工食品など2万点あまりの取り扱い食品をEDLP化し、安売り化を前面に押し出してアピールしてきた。現在食品・日用品を中心とするスーパーマーケット型店舗では、品揃えのほぼ半分がEDLPに移行しているとのこと。

今回はこの「低価格志向」をさらに推し進め、年末に向けて次の4施策を実施し、お客に対してアピールをしていくことになる。

1.「毎日お買い得」品目の追加値下げ(100品目ほど)
 EDLP化商品の12月一杯におけるさらなる値下げ。
2.ウォルマートの調達網を活用した直輸入を含む海外調達品の拡充及び値下げ(30品目ほど)
 円高差益還元の一環。輸入肉や輸入野菜などが対象。
3.季節モチベーション対応商品の価格引き下げ(70品目ほど)
 クリスマス・正月シーズン用商品の値下げ。おもちゃや正月用食材。
4.約1500品目の月間値下げの実施
 EDLPに移行していないカテゴリー商品の価格引き下げ。


【イオングループ、1000品目商品を「とことん価格」として10~30%期間限定で値下げ】や月次のスーパー・デパートにおける営業報告分析を見てもお分かりの通り、衣料品の不調ぶりをはじめ、スーパーやデパートの業績は悪化の一途をたどっている。今回の西友による大売出しセールも、景気低迷でこの業績悪化がさらに加速するのではないかという懸念の中で、円高を利用してスーパーなどが必至に起死回生策を練っている流れの一環と思われる。

「1700品目」という数字はインパクトとしては十分なものがあるが、その値下げ幅が消費者に足を運ばせるだけのものがあるのかどうかは現時点では未知数。さらに昨今の消費者は生活防衛の知恵を身につけつつあり、特定商品が安い場合にはそれのみを手に取り、「ついで買い」を極力避ける傾向にある。

今回のキャンペーン展開が西友の思惑通り顧客の呼び戻しと売上・利益向上に結びつくのか、それとも企業側の掛け声のボリュームアップだけで空回りする結果に終わるのか、消費者の消費性向の変化とあわせ、気になるところではある。


(最終更新:2013/08/02)

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