「経済的豊かさ」って何? トップはやはり「満足できる年収」
2008年10月31日 06:30
金融広報中央委員会は10月28日、2008年の「家計の金融行動に関する世論調査」の結果を発表した。それによると、2008年6~7月時点において「経済的な豊かさを実感する条件」として挙げられたもっとも投票数の多い項目は「ある程度の額の年収の実現」であることが明らかになった。やはり手身近な現金が手に入る環境の実現が「経済的豊かさ」への道しるべとなるのだろうか(【発表リリース、PDF】)。
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今調査は6月10日から7月18日の間、世帯主が20代以上で世帯員が2人以上の全国の世帯7968世帯を対象に行われたもので、回収率は48.8%・3886世帯。調査方法は訪問と郵送の複合・選択式。
全体で「経済的な豊かさを実感する条件」を二つまで挙げてもらったところ、もっとも多いのは「ある程度の額の年収の実現」で7割近くを占めていた。
「経済的な豊かさを実感する条件」(全体)
いっぽうこれを、「現時点で経済的な豊かさを何らかの形で実感している人」「実感していない人」それぞれに分けて尋ねてみた。すると興味深い傾向が分かった。
「経済的な豊かさを実感する条件」(現在実感している人)
「経済的な豊かさを実感する条件」(現在実感していない人)
なお2001年から2006年までは当項目が問われていないので、空白となっている。両条件下の結果を見て分かること、推測できることは次の通り。
・経済的豊かさを実感していない世帯の方が願望そのものは強い。
・金融資産の保有に対する願望は昔も今も、そして実感している・していない世帯共にあまり変わりはない。
・実感していない世帯では「年収の実現」への願望が高く、それは近年に至るにますます強くなる傾向がある。
・実感している世帯はマイホームやレジャー関連など周辺物への消費へも「豊かさ」を実感するようになる。一方で現時点で実感していない世帯では「まずお金」とばかりに年収や金融資産への願望が強く、マイホームやレジャーへの願望は低い。
特に、現時点で経済的豊かさを実感している・していない世帯によって、「何が経済的豊かさを実感する条件なのか」の違いが生じるのは注目に値する。「衣食足りて礼節を知る」ではないが、まず身近な生活に充足させうる「お金」そのものに満足し、その上でようやくマイホームやレジャーなどに注意関心が移る、ということなのだろう。
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