昨年末の著名アナリストによる日経平均予想レンジをグラフ化してみる
2008年10月26日 12:00
ロイター通信では毎年年末の恒例企画として、翌年の日経平均株価の予想レンジを投資関連の著名アナリストや関連部局のトップなどに聞き、翌年の相場動向を占う一つの指針として提示している。それぞれの法人や個人の個性が現れ、非常に役立つデータなのだが、今年の相場はそれ以上にある意味興味深い、そして出来れば夢であって欲しい状況が展開している。いかに現在進行している市場展開が、著名専門家ですら予想し難い事態であるのかが、予想レンジと実際の日経平均株価の動向を見れば一目で分かる。今回はこれを図にしてみることにする(【元データ】)。
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予想された日経平均株価のレンジは500円単位。そこで500円の区切りで軸を作り、それぞれのアナリストの予想を棒グラフ化する。そしてそこに、一か月単位(月足)の実際の日経平均株価動向をやはり500円単位で棒グラフ化したものを加える。日経平均は実際には500円単位で動くわけではないので、1銭でもその領域に入れば棒グラフの棒部分を埋めてみた。
その結果出来上がったのが次のグラフ。
2007年12月17日~20日にヒアリングした、投資関係者30人による「2008年の」日経平均レンジとその実際(2008年10月24日時点)(クリックして拡大表示)
参考:今年の日経平均株価動向
上の部分・赤と青で互いに棒グラフを表示したのがアナリスト予想。下の緑と茶色で互いに棒グラフを表示したのが実際の日経平均株価動向。あまりにも図が大きすぎて、拡大表示しないと細部が全然分からないものになってしまったが、外観でも何が起きているのかは把握できるはず。一言で表現すれば「予想から相当下離れした相場展開が進行中」ということになる。
予想レンジ内におさまっていたのは
30人のアナリスト中
わずか1人のみ
500円・月単位の比較で日経平均株価と各アナリストの予想レンジを比較しても、1月中旬以降の急落でほとんどのアナリストの予想範囲外(下離れ)の相場展開となり、唯一予想範囲内にあるのが第一生命経済研究所・主席エコノミストの嶌峰義清氏によるレンジ「12500円~16000円」であるのが分かる。しかし氏のレンジも2月までは保ったものの、3月中旬の急落であえなく陥落。この時点で30人の予想はすべて現実が「下離れ」して外れたことになる。
以降はもみ合いながらも少しずつ下落を続け、9月~10月にかけて大きく値を下げているのが棒グラフの様子からも分かる。しかも10月はまだあと一週間ほど日を残している。
ともあれ。一年の1/4が経過した時点で30人のアナリストの予想がすべて外れてしまうほど、相場が大きく動いている。いかに今現在進行中の市場展開がまれに見る状況であることが、よく分かるはずだ。
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