ワールドワイドな半額セールス
2008年10月26日 12:00
【Los Angeles Times】において、世界規模で株価の半額セールスキャンペーンが実施されている旨を指摘する記事が掲載されていた。いわく「多くの国々で株価はピーク時から半額以下に下落している(Many world stock markets now off 50% or more from peaks)」というものだ。そして「どんな国も加わりたくはないのだが」と皮肉交じりに前置きしながら、このような状況を結果として「経済のグローバル化が果たされつつある」と説明している。
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元記事ではヘッジファンドの換金売りや失望売りなどで株価が急落傾向を続けていることを説明した上で、「富の破壊」(=株価・有価証券の暴落)は世界規模におちいったことを説明している。そして「そういえばデカップリング論(アメリカ経済が衰退しても他の国は発展するので、世界全体が不景気におちいることはない、とする説)などという話もありましたっけ」とかつての楽観論を暗に批判している。現状はむしろ、逆デカップリング論すら持ち上がるほどだ。
具体的な例として、元記事では主要各国の株価が直近のピーク時からどれほどまでに値を下げたかを例示している。ここではそのデータをグラフ化して、より分かりやすく展開してみることにする。
株価「下落率」(直近最高値から・為替レート考慮せず)。例えばロシアの場合は直近の最高値から「73.9%」下落した。つまり現在の株価は26.1%でしかなく、直近最高値から約1/4にまで落ち込んだことを意味する。
さらに元記事では「海外の株に投資した人たちはこの表のデータ以上に損失をこうむっている可能性が高い。なぜなら為替レートも大きく変動しているからだ」とし、ドル高によって海外証券に投資したアメリカの投資家の損失がさらに増加している可能性を示唆している。
あるブログではこのデータをして「世界で一斉にシンクロナイズド・スイミングならぬ、ダイビングをしているかのようだ」と評している。あながち冗談のような表現でないから、困り者だ。
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