「メール」より「はがき」が嬉しい年賀状、託す想いは同じだけれど
2008年10月25日 12:00
情報サイト「ブロッチ」などを展開するアイシェアは10月24日、年賀はがきや年賀メールに関する調査結果を発表した。それによると、受け取る側としては年賀メールよりも年賀はがきの方が「嬉しい」と感じる人が多いことが明らかになった。特に年賀はがきは年を経るほど「非常に嬉しい」と感じる人が増える傾向にあり、壮齢者ほど「はがき」のお年賀の挨拶に喜びを感じるようである(【発表リリース】)。
スポンサードリンク
今調査は10月10日から10月13日の間、無料メール転送サービスCLUB BBQの登録会員に対して行われたもので、有効回答数は421人。男女比は55.6対44.4。年齢構成比は20代12.6%、30代46.8%、40代31.4%、その他9.3%。
「お年賀の挨拶」という意思表示では変わらないものの、媒体が「はがき」と「メール」でどこまで相手の印象が異なるのかが分かるのが、この「年賀はがき・メールそれぞれで受け取った時の感想」の比較図。
年賀はがき・メールそれぞれで受け取った時の感想
年賀はがきでも年賀メールでも「お年賀の挨拶」には違いない。しかしはがきの場合には8割以上の人が嬉しさを感じているのに対し、メールではそれが7割強にとどまっている。また「非常に嬉しい」に限れば、はがきの嬉しさはメールの2倍近くに達している。はがきは「一枚一枚書き上げた」という想いが伝わること、さらに物理的にその挨拶を手に取ることで気持ちを実感できる効果があるからだろう(印刷よりも手書きの方が好まれるのもその流れ)。一方メールの場合には、「不特定多数に同時に配信できる」という特性・メリットが、今件では逆にデメリットとして受け手に受け止められるという、稀有な例ともいえる。
次にメール・はがきそれぞれを性別・年齢階層別に見てみることにする。まずは「年賀はがき」。
年賀はがきが届いたとき、嬉しいと感じますか
平均で3割ほどが「非常に嬉しい」と答えているが、男性よりも女性、若年層よりも高齢層の方が「非常に嬉しい」人が多い。これはどれだけ電子メールに慣れているか、ITリテラシー度が高いかの裏返しともいえる。電子メールにあまり慣れていない人ほど、旧来のスタイルの年賀はがきへの嬉しさが大きいというわけだ。
一方その電子メールによるお年賀こと年賀メールではどうだろうか。
年賀メールが届いたとき、嬉しいと感じますか
まず冒頭で触れたように、「年賀はがき」と比べると「非常に嬉しい」度合いが全般的に低いのが分かる。そして年齢階層別では、歳を経るにつれて「非常に嬉しい」「どちらかといえば嬉しい」をあわせた層が減り、「特に嬉しいとは感じない」層が増加しているのが分かる。無機質の電子メールによる「年賀状」では、壮齢者ほど興味関心を持たなくなるようだ。
電子メールの普及で、手書きの年賀はがきの売れ行きが落ち込んでいることが色々なデータから明らかにされている。日本人の人口そのものが急減したわけではないので、明らかに年賀状をはがきで出す人・枚数が減っている証拠といえる。一方で「年賀メール」で回線が混雑するため、年末年始の携帯電話による電子メール制限が行われるのは今や定例行事化しているほど。それだけ「はがき」から「メール」への「お年賀のシフト」が起きている証拠だ。
電子メールは非常に便利なため、相手に意思伝達をするためのツールとして普及するのは当然といえる。とはいえ、便利なだけでは要件を満たしにくい場合もある。気持ちを伝えたい場合、電子メールの方が良い場合もあれば、はがきの方が伝わりやすい場合もある。もちろん合理的な考えを選択するのもアリだ。結局のところ、「自分が受け取った時にどちらが嬉しいか、相手の気持ちを感じ取れるか」といった感じで相手の立場で考え、選択をするのがそれぞれ個人個人においてベストといえるのではないだろうか。
スポンサードリンク
ツイート