ネット上の違法配信対策に高まる「罰則・取締りの強化」の声
2008年10月24日 12:00
内閣府政府広報室は10月23日、「ニセモノ」商品など知的財産に関する国民の意識調査結果「知的財産に関する特別世論調査」を発表した。それによると、インターネット上における違法な映像や画像の公開、共有への対策として、もっとも有効な手段と考えられているものは「違法行為への罰則・取締りの強化」であることが明らかになった。現状の不十分さが反映された結果なのかもしれない(【発表リリース、PDF】)。
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今調査は9月11日から21日までの間、個別面接聴取方式によって20歳以上の男女3000人に対して行われたもので、有効回答数は1770人。男女比・年齢構成比は現時点では未公開。
他人の著作物を許諾なくインターネット上で公開・共有することが違法であることは多くの人が認識している。今調査でも4人に3人の割合にあたる75.8%が「知っていた」と答えている。しかし現状では「そのような映画などを見たことがある」人が3割を超えるなど、取締り状況が堅調であるとは言いがたい。
そこでこのような「インターネット上での違法な公開・共有」状態を改善するために、有効な手段としてどのようなものが当てはまるのか。有効と思われる選択肢を複数回答で選んでもらったところ、「違法行為に対する罰則強化」が53.8%、「違法行為に対する取締りの強化」が51.8%を占めていた。「違法行為への罰則・取締りの強化」を求める声が過半数に達していたことになる。
インターネット上での違法な公開・共有への対策として有効な手段
強化が求められている
これらの選択肢への同意票が多いということは、裏返せば現状における「違法行為への罰則・取締り」が(抑止力として)有効に働いていない、不十分であるという意見と受け止めることもできる。同一調査結果の別項目【「ニセモノだ 分かっているけど 仕方が無い」過半数に達する】でも、「ニセモノ」に対する公的機関の取り締まり強化を望んでいる声が大きい。
選択肢の一つに「著作権侵害等が発生している国に対する協力要請」があるように、インターネットを使った違法な動画の公開・共有は、単に「ニセモノ」を規制するよりもはるかに難しく、ハードルも高い。インターネットは世界規模で配信・受信できるが、日本国内の法律は海外には及ばないし、海外からの配信の場合にはその国の捜査協力が欠かせないからである。
儲けを主目的にこのような行為をしている者に対しては、「その行為が利益にならない」という状況を作り出すのが一番の撃退法になる。取締りの強化・罰則の積み上げはもちろんのこと、お客がそちらに流れないような「新たな導線」を創り出すのも一つの手といえるだろう。
(最終更新:2013/08/02)
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