「ニセモノだ 分かっているけど 仕方が無い」過半数に達する
2008年10月24日 12:00
内閣府政府広報室は10月23日、「ニセモノ」商品など知的財産に関する国民の意識調査結果「知的財産に関する特別世論調査」を発表した。それによると、全体の過半数にあたる52.4%の人が何らかの理由で「ニセモノを購入するのは仕方が無い」と考えていることが明らかになった。「ブランド」の意義そのものを考えさせられる結果といえよう(【発表リリース、PDF】)。
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今調査は9月11日から21日までの間、個別面接聴取方式によって20歳以上の男女3000人に対して行われたもので、有効回答数は1770人。男女比・年齢構成比は現時点では未公開。
特定のブランド商品に対し、その権利を保有する法人や個人の許諾なしにそのブランドをかたったり、そのブランドに類する外観などで購入者に誤認させるような商品、つまり知的活動による知的財産を侵害する商品のことを「ニセモノ」と定義する。また、音楽CDや映画DVDの海賊版も今件における「ニセモノ」に分類する。
その「ニセモノ」の購入についてどのように考えているかを択一式で答えてもらったところ、「どんな理由でも購入すべきでないと思う」と回答した人は約4割にしか過ぎなかった。
「ニセモノ」購入についての認識
一方で、「正規品よりも安いので」という理由付による購入肯定派は27.3%、「正規品にはないデザイン・仕様の品もあるので」は7.5%、さらには取り締まりの不備・不十分さによる「公然と売っているので」が17.6%も占める。この3つの理由をあわせた「購入するのは仕方が無い」派は過半数の52.4%にも達している。
注目したいのは過去2回分の調査結果と比べると、「安い」「デザイン・仕様」の項目はさほど変わらず、むしろ年数を経るにつれて減る傾向すら見られる。その一方、「公然と売っているので」という理由は調査毎に増加し、この4年の間に2倍強もの割合増加を見せている。
価格の安さやデザイン・仕様の面における「ニセモノ」購入への動機は少しずつ減りつつあるものの、一向にとどまるところを知らない「ニセモノ」商品のちまたでのまん延に対し、「半ば公的機関側も放置・認知しているのか」という誤解が生じていることが容易に想像できる。分かりやすく表現すると「取り締まってないんだから、買ってもいいんでしょ?」という心境。
現実問題として、もちろん「ニセモノ」商品が購入が法的に許されるわけではない。世間一般にこのような認識がさらに広まり、販売側も幅を利かせることのないよう、公的機関はもちろん、「ニセモノ」販売の仲介所となりうる民間機関、例えばオークションサイトなども今まで以上に強固な取り締まりが求められる。それとともに「ニセモノ」販売が割りに合わないという認識を広めさせるため、今まで以上に厳罰となる「相応のペナルティ」も課するべきだろう。
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