ついに全ページ無料デジタル立ち読み可能! 「モーニング・ツー」が前号を無料公開
2008年10月23日 06:30
講談社は10月22日、月刊誌の「モーニング・ツー」について、現在発売されている号の「前号にあたる号」をインターネット上の同社漫画総合サイト「e-1day」上で全ページ無料公開すると発表した。同時に9月22日に発売された第14号の公開を開始している。「売っていない」「買えない」「見つからない」という苦情が寄せられたため、と説明している(【該当ページ】)。
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「モーニング・ツー」無料公開告知ページ
「モーニング・ツー」はその題名から推測ができるように、講談社の有力漫画週刊誌「モーニング」の増刊として2006年8月に創刊された月刊誌。現在の発行部数は約5万部だが、連載漫画の単行本は100万部を超える売上を果たす作品も登場するなど、人気は高い。しかし告知ページによれば都市部を少し離れると(流通などの問題もあって)書店やコンビニでは入手できないところも多いとのこと。講談社サイドでは「売っていない」「買えない」「見つからない」との声も耳にしたことから、今回「1号前の『ツー』を全ページインターネット上での無料公開」を決めた。
無料公開は試験的運用のようで、現状においては1冊につき1か月、連続3か月のみとなっている。具体的には
10月22日 モーニング・ツー15号発売、14号の無料公開開始(11月22日まで)
11月22日 モーニング・ツー16号発売、15号の無料公開開始(12月22日まで)
12月22日 モーニング・ツー17号発売、16号の無料公開開始
というスケジュールが組まれている。16号の無料公開終了時期、及びその後の予定は未定。また、無料購読のためには専用のソフト「Crochet(クロッシェ)」(無料)のインストールが必要。
編集部サイドでは告知ページの中で
願わくば『ツー』を無料で読んだなら、そのお金で別の雑誌や漫画を買ってみて下さい。
『ツー』以外にも面白い雑誌は沢山あります。良い漫画を見つけ、そして愛してもらえたら、こんなに嬉しいことはありません。
とし、連載漫画の単行本はもちろん、他の(記述はされていないがもちろん講談社の、だろう)雑誌や漫画を購入することを勧めている
著作権が切れた文学作品や、大人気シリーズの漫画のはじめの方の作品を「1話」丸ごとインターネット上で無料公開する試みは複数の出版社で行われている。しかし大手の出版社が既存の定期発刊紙を期間限定ながらも「全ページ」公開するというのは、いまだかつて耳にしたことがない。それだけ講談社が本気を出している、あるいは危機を肌身に感じている、ということなのだろう。
全公開のスケジュールは現在三号分のみが掲載されている。この試読導入でどこまで関連単行本、そして『モーニング・ツー』そのものの引き合いが上積みされるか実績を見て、その上で今後の方針が決定されるものと思われる。『ツー』そのものはもちろんだが、今後の講談社側の姿勢を注意深く見守りたいところだ。
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