今の住まい、周辺環境は満足しているけれども……
2008年10月22日 12:00
【オールアバウト(2454)】とNTTレゾナントは10月21日、「理想の住まいについてのアンケート」の結果を発表した。それによると現在の住まいに対して周辺環境や自然環境など、住宅の周囲に関する「環境」については多くの人が満足している一方、「住宅自身」のスペックに関しては不満を持つ人が多いことが明らかになった。調査対象が持ち家居住者ではないということもあるが、賃貸住宅などが個々のニーズをつかみきれていない様子もうかがいしれる(【発表ページ】)。
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今調査はインターネット経由で9月10日から15日の間に、25歳~44歳の賃貸または社宅・寮の居住者に対して行われ、有効回答数は1044人。男女比は52.4対47.6で、年齢階層比は20代が25.0%、30~34歳が23.8%、35~39歳が25.6%、40~44歳が25.6%。
現在の住まいについて複数の項目を列挙し、それぞれについて満足しているか不満かを任意回答で尋ねたところ、もっとも満足している項目は「周辺環境」「自然環境」の2つで6割を超えていた。
現在の住まいで満足しているところ、不満なところ
ほぼ同率で「学校・病院などの公共施設」がつき、5割台になると「日当たり・風通し」「駅までの距離」「人間関係」などが上位についている。これらはいずれも住んでいる住居そのものではなく、その住居が位置する場所が持つ環境の特性といえる。多くの人が今の住まいの「周辺環境」には満足しているわけだ。
・周辺環境
・その場所自身の特性
●不満点
・住まいそのものの建物など
内部的なスペック
一方で不満なところの最上位には「台所・風呂などの住宅設備」「耐震性」「間取り・広さ」「家賃」など、個々の住まいの内部的スペックに関する項目が上位に並んでいる。つまり現状は、多くの人が「周囲環境は良くとも自分自身が寝起きし生活する場所に不満があるので、総合的に満ち足りた住居環境を確保しているとは言いがたい」ということになる。
先に【「ちょっと未来」は近場、「定年後」はのんびりと……住みたい場所の違い】で挙げた項目のうち「5年後に住みたいところ」の点では、「今の住まいのまま」以上に「現在の住まいに近いところ(へ引っ越したい)」という回答が多数を占めている。この回答は今件の結果と照らし合わせて考えると「周辺環境は良いけれど今の住まい(建物)そのものには不満がある。近場で建物面において良いところを選び、素敵な周辺環境を引き続き利用したい」という「内なる声」が聴こえてくるようでもある。「言われてみればなるほど、自分もそうかもしれない」とうなづく人も多いのではないだろうか。
一方で住宅を提供する側からすれば、周辺環境の良さを活かし切れず、住民の定住可能性を低めていることになる。入居する住民の声にあわせて間取りや広さを変えるのはさすがに無理があるが、耐震性や台所・風呂などの設備は世間一般のニーズに耳を傾ければ改善できる。間取りや広さそのものも、例えば狭い二部屋をぶち抜いて一つの広い部屋にする、あるいは二世帯の壁を取り払って一世帯分の大きな賃貸住宅にするなど、やりようはいくらでもある。
せっかく「住みやすい周囲環境」という、お金では得られない好条件を保有しているのに、それを活かせずに空き部屋のままにしておくのはもったいない。周囲環境が気に入っている、住宅を借りようと検討している側も「できることなら良い内部的スペックの住まいに住みたい」と考えているのだから、その声に応えない手はないだろう。
(最終更新:2013/08/02)
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