今調査は9月19日から21日の間、全国の20～60代の男女1000人を対象に行われたもので、男女比・年齢階層比はそれぞれ均等割り当て。インターネット経由で行われた調査であることから、あらかじめある程度インターネットには精通している人の回答なことを考慮しておく必要がある。

インターネットバンキング(インターネット経由で支払い手続きや振り替えなど、銀行口座の操作を行うこと)の長所と短所について、複数回答で答えてもらったところ、長所のトップには「24時間いつでも利用できる」がトップで8割近い人が同意している。

インターネットバンキングの長所

インターネットバンキングの短所

続いてかなり同意数は少なくなるが、「利用手数料が安い」が47.0％、「インターネットショッピングなどで利用しやすい」が38.7％。以下は10％台に落ち込むため、事実上この三つが「インターネットバンキングの代表的な長所」と見て良いだろう。今後オークションやネットショップを多用する人が増えてくれば、「インターネットショッピングなどで利用しやすい」の項目に同意する人もさらに増加するものと思われる。

一方で短所には過半数の人が「個人情報の管理が不安」と答えている。ついで10ポイントほど同意数は少なくなるものの「ID・パスワードの管理が面倒」、そしてほぼ同数で「システム障害が不安」が上位に名を連ねている。以降の項目は10％台のため、この3項目が「インターネットバンキングの代表的な短所」と見てよい。

ただし「短所」の上位3点は、インターネットバンキングに限った事柄ではない。そのような項目(例えば「入出金が面倒」「ATMがどこにあるのかわからない」など)はさほど短所としては認識されていない傾向がある。上位3項目はむしろ、インターネットそのものに対する問題点・リスクであることが分かる。

「ネットバンキングの短所」≒「インターネットそのものの短所」ということは、ネットバンキングの短所を解消するためには、インターネットそのものの短所を解消する手立てを見つける必要がある、ということになる。正直、これは非常にハードルの高い課題といえる。インターネット全体で何かそのハードルを超えるための仕組みを考えるか、あるいはそれよりも低いハードルでインターネットバンキングだけでも利用できる「工夫」が出来ないか、考えていく必要があるだろう。

それら短所を克服することで、もっともっとインターネットバンキングは使いやすく、安心して使えるようになり、より多くの人に広まるようになるに違いない。