ダウ平均株価の流れから見渡す「新ブラックマンデー」

2008年10月01日 08:00

株価急落イメージ先に【欧米主要六紙に見る「新ブラック・マンデー」の衝撃】でお伝えしたように、9月29日のアメリカ下院議会で総額7000億ドル(73.5兆円)に及ぶ金融危機救済案は、僅差ながらも否決。その結果アメリカ市場は失望した投資家による投売りを受け、史上最大の下げ幅を記録するほどの急落ぶりを見せた。【USA TODAY】ではその悪夢の一日ともいえる「新ブラックマンデー」のダウ工業株30種平均の動きを、下院議会の投票状況などとあわせてグラフ化していた。元図はインタラクティブ化されており、カーソルを合わせるとその時その時の状況を示すコメントが表示されるのだが、ここではひとめで分かるように書き起こし、さらに説明を加えてみることにする。

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2008年9月29日「新ブラック・マンデー」のダウ平均の動き
2008年9月29日「新ブラック・マンデー」のダウ平均の動き

1:午後1時28分
下院で金融危機救済案投票開始。賛成48、反対33。

2:午後1時45分
賛成185、反対194。反対が上回る。

3:午後1時46分
反対票が賛成票を上回ったことが報じられたのを受けてダウが急落。600ポイント以上の下げ幅。

4:午後1時47分
1分後、ダウは100ポイントさらに下げる。

5:午後2時6分
金融危機救済案否決確定。賛成205、反対228。

6:午後2時10分
一時リバウンドしたダウが再び下落。

7:午後3時1分
ポールソン財務長官が「あらゆる手段を講じて金融市場を守るために法案を通す」と発言。

8:午後3時5分
下院議会の報道官Nancy Pelosi曰く「金融危機はまだ続いている」。

9:午後3時35分
ブッシュ大統領「失望した。金融危機救済案が否決されたことに失望した」。

10:午後4時
引けに大きく売り込まれ、結局ダウは史上最大の下げ幅777.68ポイント下げて1万0365ドル45セントで引ける。


ダウの値動きを見れば分かるように、やや下げて始まったダウ平均は下院の投票を見守るかのように横ばいを続け、事前の根回しにも関わらず反対派が多数を占めることが中間報告で伝えられると失望の投売りが起き、株価は急落。パニック売りのリバウンドが多少起きるも投票結果が確定するとだらだらと売り込まれ、さらにポールソン財務長官ら関係者の発言で「努力は続けられる(が確約されるものは何もない)」ことが確実視されるにいたり、さらにずりずりと値を下げていく様子が分かる。

あおりを受けて日経平均も9月30日は483円75銭安をつけた。その当日の新聞イメージ午後3時過ぎのブッシュ大統領の「絶望失望した」宣言でやや株価は戻すが、引けにかけて成り行き売りがどっとなだれ込み、約200ポイントもの下げを見せることになる。

無論この金融危機救済案否決とそれに伴うアメリカ市場の下げは世界の金融市場にも大きな衝撃を与え、ヨーロッパやアジア諸国の市場をも急落に追いこむことになる。今回の下げが、下落相場の節目になるのか、それとも終わりの始まりとなるのか、今はまだ分からない。


やや余談。上記グラフを見てあらためて分かるのだが、アメリカ市場は午前9時半から午後4時まで、昼休みもなく連続して開場している。どこかの国の市場と比べたら大違い。もう少し努力してほしい気もする。もっとも最近ではPTS市場がそれをカバーするかのように取引時間を拡大しているので、何とかなるのかもしれないが。


(最終更新:2013/08/02)

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