「余命半年宣告」何かやっておきたいことがある人は7割
2008年10月18日 12:00
gooリサーチは10月17日、読売ウイークリーとの共同企画調査「『余命半年』どう生きるか? 現代日本人の死生観を徹底研究」の調査結果を発表した。それによると「余命半年」(あと半年しか生きられない)と宣告された場合、「生きている間に『これだけはやっておきたい』ことがあるかどうか」という問いに対し、全体では7割近い人が「ある」と答えたことが明らかになった。具体的要件は多種多様にわたるが、年齢階層よりも性別で大きな違いが見られるようだ(【発表ページ】)。
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今調査は30歳から59歳までの男女を対象にインターネット経由で行われたもので、職業や年収、家族の有無などは不問。男女比は1対1、年齢階層比は30・40代が各200人、50代が100人の計500人。調査期間は不明。前提として「自分の余命が半年」という仮定を元に回答してもらっている。
今調査では「余命半年の人間の行動心理」に関していくつかの点からスポットライトをあてている。今回取り上げるのは「生きている間に『これだけはやっておきたい』ことがあるか」。全体では7割近くが「ある」と答えている。
生きている間に「これだけはやっておきたい」ことはあるか(余命半年と宣言された場合)
区分別で見ると男女とも40代がもっとも「ない」と答える人が多い。これが単なる偶然なのか、働き盛りでもあり、板ばさみに会いやすく精神的に疲れやすい年齢層だからなのかは不明。むしろ男女間において、男性よりも女性の方が「ある」と答えた人が多いのが目に留まる。「仮に」ということであっても、「生と死」に対し真剣に見つめる姿勢は女性の方がしっかりしているのかもしれない。
元資料では「体力面や資金、準備期間などの現実的問題を抜きにして、三つまで具体的な希望や夢を語ってもらった」結果も掲載されている。実に多種多様に及び、表やグラフには出来ないので、実物は元資料を参照してほしい。全般的には「男女とも旅行関係、家族関係の希望が多い」「女性は男性よりも現実的(つまり身近で切実な)意見が多い」ことが見受けられる。中には現状における悩みやもめごとを反映している内容もあり、妙なリアルさに背中を寒くするものもある。
秋元康氏の著書で映画化もされた『「象の背中」』やドキュメンタリー「余命一ヶ月の花嫁」など、元資料にもあるように「余命宣告後の行き方」をテーマにした作品が相次いで世に送り出されている。今回のアンケートはそのよう風潮を元に行われたものだが、「三つまで具体的な希望や夢」の文面を見ると切実なものが多く、胸が痛くなってくる。
永遠に生きられない以上、人は生まれた時から「余命・死ぬまで」と伝えられたようなものだが、その終点がどこになるのかは誰にも分からない。しかし具体的に「半年」と宣告された場合、終末地点がそこで見えてしまうことになる。先が見えないからこそ歩く過程そのものを楽しめるのであり、ゴールが見えてしまってはこれまでとは違った考えをしないと前に進めないことだろう。それはある意味、何らかの「悟り」を開いた状態になるのかもしれない。
(最終更新:2013/09/06)
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