高校生の3割強はネット弁慶!? 「掲示板やブログなら面と向かって言えないことでも書き込める」

2008年10月11日 19:00

パソコンを使う高校生イメージネットスターは10月10日、家庭でのインターネット利用に関する実態調査の結果を発表した。それによると高校生の三人に一人近くが「インターネット上の掲示板やブログでなら、面と向かっては言えないようなことでも書き込める」と答えていることが明らかになった。インターネットという道具を通じて、高校生の表現が増幅され過剰になりうるリスクを表しているものといえる(【発表リリース】)。

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今調査は9月9日・10日にインターネット経由で行われたもので、高校生の子どもを持つ保護者・高校生自身を対象としている。構成比は高校生対保護者が1対1で、高校生は各学年・保護者は各学年を子どもに持つ人それぞれ均等割り当て(高校1年・高校2年・高校3年・高校1年の保護者・高校2年の保護者・高校3年の保護者で均等)。保護者の年齢構成比は30代5%、40代71%、50代23%、60代1%。有効回答数は2472件。

今調査ではインターネットと高校生・保護者との関係について多種多様な質問が行われているが、今回着目するのは高校生の「掲示板やブログ、プロフなどに書き込み・閲覧をするときの気持ち」。どのような心境になるのか、いくつか選択肢を提示し、それぞれについて当てはまるか否かで答えてもらった結果が次の図。

「掲示板やブログ、プロフなどに書き込み・閲覧をするときの気持ち」(高校生対象)
「掲示板やブログ、プロフなどに書き込み・閲覧をするときの気持ち」(高校生対象)

もっとも多い回答は「面と向かっては言えないようなことでも書き込める」というもので、これは32.0%とほぼ三人に一人が同意している。この言い回しだけなら「恥ずかしくて、でもどうしても伝えたい(感謝・好意などのポジティブな)気持ちもネット上でなら伝えられる」と好意的に解釈することもできるが、他の選択肢とあわせて考えるとむしろ「面とむかっては怖くて、気負いを感じて口に出せないようなことでも、気が大きくなり第三者に向けて表現できてしまう」ととらえた方が良いだろう。普段弱気に見えてもネット上では大きな態度が取れる「ネット弁慶」モードに突入する有様が容易に想像できる。

その他「自分をよく見せようとしてしまう」「物事を大げさに伝えてしまう」「いつもより強気に出てしまう」など、ネット特有の覆面性だからこそ出来うる事象に、少なからぬ数の高校生が自覚を持っていることが分かる。


これらの行動パターンは、自動車を運転する際に気が大きくなってしまう事例に似ている。つまり「自分の能力=自動車の能力」と錯覚してしまい、ついつい自分の力を過信してしまうものだ。道具を使って自分の力を増幅させている以上(自動車なら走行能力、ネットなら表現能力)、そのような気分にさせられてしまうのは仕方ないところではあるが、あまりにもその錯覚に「酔ってしまう」と、つい足を踏み外してしまうことになる。

・自動車運転の時の
「自分は強い」という錯覚に類似
・覆面性、非現実感が
「暴走」のトリガーとなる

またインターネット上のサービスの場合には「覆面性」や「非現実感」も、自らの力の過信や妄想的な錯覚に影響している。前者は、「自分自身が誰かが分からないような場でなら、万一何か起きてもバチを被ることはないだろう」という油断によるもの(実際にはほとんどそのようなことは無い)。後者は「インターネットを経由して目の前に居ない不特定多数との意思疎通が、テレビや映画のようなつかみ所の無い作り話のようで、どこか現実味に欠ける」がゆえのもの。

パソコンを使う高校生イメージもっともこれらの事象は何も高校生に限ったことではなく、大の大人でも多かれ少なかれ持ちうるもの。問題なのは高校生の場合は「こういうことが起き得るし、だからこそ注意・自制をしなければならない」ことを知らない場合が多い点にある。

このような傾向は「暗黙の了解」「経験則でしか学び得ないこと」としてあまり第三者から教わる機会はないが、インターネットを使いこなしていく上では案外重要なポイントといえる。従来道具であるはずのインターネットに、逆に振り回されることのないよう各自が注意すると共に、何らかの形でインターネット初心者には教えるべき点だろう。

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