ロシア陸軍、ダイエット作戦開始・2013年までに兵力を10%以上削減へ

2008年10月12日 12:00

ロシア陸軍イメージ【ロイター通信(Javno経由)】が伝えるところによるとロシアは2013年までに陸軍の兵力を10%以上削減し、同時に機動性と適応力の高いスリムな軍を形成することを明らかにした。主に将校クラスの削減がメインで、定年などで退官する将校らに対し補充要員を設けずに人員をそのまま減らすとのこと。一方この削減案に対し「国境警備隊や国内警察軍は含まれて居ない」とし、懐疑的な意見を述べる軍事アナリストもいるとのこと。

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5月に大統領を辞任し現在は首相の座にあるウラジミール・プーチン氏は「軍の再建こそがソビエト連邦後に権威を失墜しつつあるロシアにおいて、中央政府の力の誇示と復活、さらには国際的な影響力の強化に欠かせない」とし、これまでも各方面で軍事力の強化に手を打ってきた。今回の方策もその一環、つまり「軍の縮小」ではなく「軍の効率化」だと思われる。

ロシア陸軍イメージ現在ロシア陸軍は約113万人だが、これを4~5年後の2013年までに約100万人に削減する予定だと、Anatoly Serdyukovロシア国防相の談が伝えられている。従来は2016年までの計画だったが、それが3年ほど前倒しにされた計算になる。

「退官した将校をそのまま補充しないと、軍組織が危うくなるのでは」という疑問も沸く。しかし元記事によると現ロシア陸軍では全兵員数のうち約30%を将校が占めている。他国では約16%の割合なので、まさに頭でっかちな状態。さらに予算の上でも「頭でっかち」はエスカレートしつつある(このままでは2007年に将校向けの支払いが10.6億ドルだったものが2010年には14.0億ドルに、2011年には17.8億ドルにまで増加してしまう)。今回は彼らの退官の補充をしないということで、この「異常な状態」からの改善で軍のスリム化を図ることになる。

さらにプーチン氏は軍予算の割り当てにおいて、ロシア戦略ロケット軍と空軍に重点を置くと言及している。今回は半ば軍の効率化、そして半ば「重点予算配分」の割を陸軍が食った形となるのだろうか。


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