イギリスでは200万家族が「資産マイナス」状態に

2008年10月20日 08:00

競売住宅イメージ「一生の買い物」とも比ゆされる住宅だが、ほとんどすべての人が住宅ローンを組み、何十年にも渡って支払いを続けることになる。そして周囲環境の変化でその住宅(建物・土地)の価値が変化しても、基本的にローンの額が上下することはない。昨今のように住宅価格が急落すると、「手持ちの住宅の評価額=資産」も下がるため、ローンの残高や他の資産と足し引きしても、個人・家計レベルで「資産がマイナス」、つまり事実上の債務超過に陥る可能性もある。【Times】によれば、2010年までにイギリスではそのような「債務超過家族」は200万世帯に達するという。それはかつて1990年前半に到来した住宅不況以上の値に達するとのこと。

スポンサードリンク

住宅価格下落で
2010年にはイギリスで
200万世帯が債務超過に

ヨーロッパ方面ではもっとも住宅価格の下落が激しく、金融危機に直面しているイギリスだが、現在1か月あたり6万人(原文ママ。6万世帯ではない)が住宅価格下落による「実質債務超過」状態に陥っている。このペースは1990年代の不況以上のスピード。

住宅売却イメージ具体的な住宅価格の下落は、2010年にはピーク時から35%ものマイナスに達する。これは1990年前半の-20%をはるかに超える割合で、またその時に記録した180万世帯を超す200万世帯が、2010年には「実質債務超過世帯」におちいると元記事では伝えている。

今、イギリスの住宅所有者が一番恐れているのは、ローンを設定した銀行による突然の住宅差し押さえ。すでに今年前半で1万9000件の差し押さえが発生し、これはそれより半年前(つまり去年の7~12月)と比べて40%も増加している。また、今年後半は2万6000件に達するだろうとも予測されている。

アメリカではすでに
16.7%・1200万世帯が
債務超過

一方、サブプライムローン・住宅ローン問題の発祥の地(!?)アメリカではどうだろうか。【Wall Street Journal】によれば、格付け機関のムーディーズの調査結果として、アメリカの全住宅保有7550万世帯のうち、六分の一、約1200万世帯までもが「債務超過状態」にあるとしている。イギリスの人口はアメリカの五分の一程度であることを考えると、アメリカの方が状況が深刻であることがわかる。

住宅に限ったことでは無いが、売買は買い手と売り手がいないことには成立しない。買い手となりうる人たちの資産が減り、差し押さえで次々に売り物件が増えるようでは、新築住宅の伸びが鈍化するのも当然であるし、ますます値は下がり、スパイラル状態におちいるのも致し方ないのだろうか。

Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...

スポンサードリンク



 


 
(C)JGNN||このサイトについて|サイトマップ|お問い合わせ