2008年9月度のコンビニ売上高は天候不良なれどまだまだ「タスポ特需」継続で既存店は6.6%のプラス

2008年10月21日 06:30

コンビニイメージ日本フランチャイズチェーン協会は10月20日、2008年9月度におけるコンビニエンスストアの統計調査月報を発表した。それによると9月は前半の天候は良好だったものの後半は曇りや雨の日が多く、また、日取りの関係で昨年と比べて3連休が1回少なかったものの、成人識別たばこカード「タスポ」の影響がまだ継続しており、来客数やたばこの売り上げは堅調に推移。結果として既存店ベースの売上高は前年同月比で+6.6%に達した(【発表リリース、PDF】)。

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今調査の概要は、月次展開一覧を収録しているページ【コンビニエンスストア(日本フランチャイズチェーン協会発表)】上で説明が行われている。そちらで確認のこと。

各データについて前年同月比は次のようになる。

●店舗売上高:既存店は5か月連続のプラス、全店は15か月連続プラス
・全店ベース……+8.9%
・既存店ベース…+6.6%

●店舗数
・+1.6%

●来店客数:既存店は6か月連続プラス、全店は26か月連続プラス
・全店ベース……+8.1%
・既存店ベース…+6.1%

●平均客単価:既存店は2か月連続プラス、全店は5か月連続プラス
・全店ベース……+0.7%(582.5円)
・既存店ベース…+0.5%(577.2円)

●商品構成別売上前年同月比(全店ベース)
・日配食品……+2.3%←調理パン、パン、デザートが堅調
・加工食品……+2.1%
・非食品………+24.9%←タスポ効果超絶継続
・サービス……+13.0%
・合計…………+8.9%

※既存店……1年以上営業中の店舗


9月は上旬がそれなりに晴れて暑い日が続いたものの、下旬は雨天が多く、特に太平洋側では広い範囲でまとまった雨が降り、客足の観点ではマイナスに作用した。また、日取りの点では昨年は2回あった3連休が1回にとどまり、色々なマイナス要因が存在したものの、「タスポ効果」は今月も継続。「非食品」の分野に含まれるたばこの売り上げが大いに伸びた。また、たばこ購入者が足を運ぶため、来客数も大幅に増加。たばこは1つ300円前後で、2つ購入すれば直近の顧客平均単価を上回るなど購入額も大きいため、昨月同様に客単価も引き上げている。

天候不順や
日取りのマイナス要因を
吹き飛ばす「タスポ特需」。
タスポをきっかけに
「自販機からコンビニへ」の
加速度的な流れが
起きている可能性も

9月は8月同様、いや天候や日取りといった条件が悪かった分、8月以上に「タスポ特需」の威力が見て取れる。無論7月の時点で関東地域への導入が行われ「全国制覇」がなされたことで、「タスポ特需」による(”前月比”における)急速な来客・売上の伸びは先月同様に一段落しているはず。今後は純粋に昨年比でどこまでたばこ購入による来客が見込めるかが焦点となる……のだが、どうやら低減現象がいまだに見られないということは、タスポをきっかけとした雪崩式の「自動販売機からコンビニへ」という、たばこ購入経由の変更現象が起きている可能性がある。

その一方、昨今一部地域で叫ばれている「省エネ(を大義名分にした各方面の思惑が理由)のための深夜営業の停止」論争は先月同様変わりはないどころか、むしろ京都市が再度要請を行い、埼玉県も自粛要請を首都圏自治体で共同提案することを表明するなど、色々な「思惑」をはらんで事態は混沌の状況を深めつつある。進展次第ではこの面におけるマイナス効果が現れる可能性は否定できない。

また9月ではサービス部門の伸び率がいちじるしいが、これについては発表資料で特に言及はなく、また該当項目を見ても思い当たる節がない。「宝くじ」が項目に含まれているので、サッカーくじ「トト」あたりの売れ行きがグンと伸びたのだろうか。

なお4月から過去データについては(他の産業月次レポート同様に)まとめページにリンク集を掲載している。過去のデータは【まとめページ】からたどってほしい。


■関連記事:
【コンビニでたばこの売り上げが急増している件について】

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