ケータイ利用のインターネットバンキング、利用者は1割強にとどまる

2008年10月22日 08:00

携帯電話経由のインターネットバンキングイメージ楽天リサーチは10月21日、インターネットバンキングに関するインターネット調査の結果を発表した。それによると、携帯電話経由のインターネットバンキング利用率は全体で1割強にとどまっていることが明らかになった。パソコン経由の利用が7割近くに達していることと比べれば、まだまだ利用率は低いようである(『発表リリース』)。

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今調査は9月19日から21日の間、全国の20~60代の男女1000人を対象に行われたもので、男女比・年齢階層比はそれぞれ均等割り当て。インターネット経由で行われた調査であることから、あらかじめある程度インターネットには精通している人の回答なことを考慮しておく必要がある。

同調査では、パソコンを経由したインターネットバンキング(インターネット経由で支払い手続きや振り替えなど、銀行口座の操作を行うこと)の利用率は68.2%という回答が得られている。それではパソコンではなく、携帯電話経由の場合はどうだろうか。全体では1割強の15.6%のみという低い値が出ている。

携帯電話からのインターネットバンキングの利用経験の有無
携帯電話からのインターネットバンキングの利用経験の有無

パソコン経由での利用率と比べると、実に四分の一以下でしかない。携帯電話そのものの普及率はパソコンのそれと比べて四分の一以下であるはずはないので、やはり使い勝手の良し悪しや「携帯電話経由でのインターネットバンキング」そのものがまだまだ馴染み深い、さらにはセキュリティへの懸念などが障壁となっているものと思われる。

その「障壁」の推測をある程度裏付けられるのが、利用率の年齢階層・性別における違い。携帯電話の利用率そのものはこれまでに多数の他記事でも明らかにされているように、「高齢層より若年層」「男性より女性」の方が高い。また利用者における機能の使いこなし度も同様の傾向が見られる。本来なら、携帯電話経由のインターネットバンキング利用率も同じような結果が出なければならないのだが……

携帯電話からのインターネットバンキングの利用経験の有無(性別・年齢階層別)
携帯電話からのインターネットバンキングの利用経験の有無(性別・年齢階層別)
・ケータイ経由の
ネットバンキング
1.女性よりも男性
2.高齢層より若年層

使い勝手・難易度などが
ハードル!?

年齢を経るにつれて利用率が減るのは予想通り。しかし男女別では女性より男性の方が利用率が高い結果が出ている。携帯電話経由のネットショッピングは女性の方が利用頻度が高く、それらの利用時には便利なインターネットバンキングも、また同様の結果が出るはず。しかし実際には逆の値が出ている。さらに男性では40代の層まではほぼ同等の高めな利用率が結果として出ているものの、女性では一直線に年齢経過と共に利用率が落ちる傾向がある。

これらの状況、そして年齢・性別のITリテラシーなどと照らし合わせて見ると、やはり携帯電話経由のインターネットバンキングは「セキュリティや使い勝手(難しさ・面倒くささ)、馴染み度」などが高いハードルとなっているものと思われる。特に女性陣・高齢者からは敬遠されがちなこれらのポイントが障壁となり、便利そうなのは分かっていてもこれらの層を携帯電話経由のインターネットバンキングから避けさせているに違いない。


携帯電話経由のインターネットバンキングイメージ別記事において、(携帯電話に限らず)インターネットバンキングの短所は主に「個人情報の管理が不安」「ID・パスワードの管理が面倒」「システム障害が不安」の3点に集約されるという結果が出ていることについて触れた。携帯電話の場合は特に「個人情報の管理が不安」「ID・パスワードの管理が面倒」の2点の短所がより大きなものになる。されに携帯電話では表示画面の見づらさもある。これらの点が解消されれば(高齢者・女性陣も気軽に利用できるようになり)、携帯電話経由のインターネットバンキングの利用率もグンと跳ね上がるのだが、現状ではなかなか難しい。

このハードルをクリアするには、何らかの技術革新か、利用を迫られるような何らかの必然性、あるいは携帯電話側の進歩を待たねばならないだろう。


(最終更新:2013/09/01)

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