古きチョコは世紀を超えて・106年もののチョコレート

2008年10月24日 08:00

チョコレートイメージワインやや漬物など時間を経るに連れて味がよくなる食品はいくつもあるが、それにも限度というものがある。ましてや時間が経っても美味しくなるとは限らないものならどうなるのか、という思惑すら吹き飛ばしてしまう「年代モノ」チョコレートの話が【Mail Online】に掲載されていた。このチョコレート、製造されたのは1902年。実に製造から106年も経過しているという。まさに「世紀を超えた」チョコレート……というよりチョコレート「だったもの」が現存するとのこと。

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106年もののチョコレートと同封されていた古新聞
106年もののチョコレートと同封されていた古新聞

元記事には「もはやチョコレートの味などしないだろうが、今や歴史的な価値を持つ」と称されているこのチョコレート、1902年6月26日に、ビクトリア女王の後継者にあたる国王のエドワード7世(King Edward VII)の戴冠式の記念品として作られたもの。イギリス南西部にあるセントアンドリュース(St. Andrews)で配られたものだが、缶の中には一緒に王朝50周年の記事が書かれている古新聞も納められており、その新聞記事から配布時期などが想定できたとのこと。

チョコレートが入っている缶。1902年6月26日の戴冠式・セントアンドリュースの文字が読める(以上、Mail Onlineより)
チョコレートが入っている缶。1902年6月26日の戴冠式・セントアンドリュースの文字が読める(以上、Mail Onlineより)

当時このチョコレートを手に入れたのはMartha Greigという女性(当時は学生)。1902年8月に手に入れて以来、「記念品としてとっておく」ことを決意し、以降何度となく襲い掛かる誘惑(食べたい、あるいは時間が経ってからは捨てたい!?)を振り払い、保存し続けた。そして彼女は大人になってから、このチョコレート缶を自分の子どもの一人に受け継がせ、そしてその子どもも自分の娘、つまりチョコレート缶を手に入れたMartha Greig嬢の孫に当たるFreida McIntosh嬢に手渡している。

今の保有者Freida嬢もさまざまな誘惑と戦いながらも、この「セントアンドリュースの歴史的遺物」を守り、それとは別の「安全な」お菓子を口にしているそうだ。

チョコレートは通常販売品の場合、賞味期限は半年から一年。【賞味期限は3年・5年! キャラメルの「ミルクキャラメル」とビスケットの「マリー」が非常食として登場】でも紹介した非常食用のチョコレートでも3年程度。ましてや100年以上も前の保存技術が発達していない当時のチョコレートが、100年以上経過しても姿かたちこそ変わってはいるものの、粉化したり腐敗して朽ち落ちずに残っていること自体が奇跡といえる。

とはいえ今後もこの状態のまま維持され続けるとは限らない。今後も末永く歴史的価値のあるものとして保存し続けるのならば、ベークライトなどで硬化させるなどの処理が必要になるかもしれない。


(最終更新:2013/08/02)

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