食物アレルギーの子ども、アメリカでは10年間で18%増加

2008年10月24日 19:40

アレルギーイメージアメリカ疾病対策センター(CDC、Centers for Disease Control and Prevention)は10月22日、2007年には約300万人の子ども(18歳以下)が食物・消化アレルギーを発症したと発表した。これはその年齢層の人口の3.9%に相当する。また食物アレルギーだげに限ればこの10年間で18%の増加傾向を見せているとのこと()。

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今データはアメリカの約1万人の子どもを対象にした調査を元に統計・推計したもの。概要は次の通り。食物アレルギーを持つ子どもは他のアレルギーなども数倍の割合で発症している傾向がある。

・男女間で食物アレルギーの発症率に差はほとんどない。男性は3.8%、女性は4.1%。
・5歳未満は4.7%、5歳以上では3.7%の発症率が確認されており、年齢と共に食物アレルギーの発症率は減る傾向にある。
・ヒスパニックの子どもは3.1%、非ヒスパニックの白人は4.1%、黒人は4.0%の発症率。ヒスパニック系の子どもの方が発症率が低い。
・2007年では食物アレルギーを持つ子どもの29.4%がぜん息持ち。これは食物アレルギーを持たない子どもの12.4%の倍以上の数字。
・食物アレルギーの子どもの27.2%はアトピー性皮膚炎も保有している。これは食物アレルギーを持たない子どもの8.1%と比べてかなり多い。
・食物アレルギーの子どもの31.5%は気管支系のアレルギー(アレルギー性ぜん息)も保有している。これは食物アレルギーを持たない子どもの8.7%と比べてかなり多い。
・昔と比べて近年になるほど食物アレルギーで病院にお世話になる(検査をする)子どもの数は増えている。


食物アレルギーを持つ子どもとそうでない子どもの、各種病症発生率
食物アレルギーを持つ子どもとそうでない子どもの、各種病症発生率

また、食物アレルギーを引き起こす食品としては、牛乳、卵、ピーナッツなどのナッツ類、魚、貝類、大豆や小麦が主なものとして確認されており、これらで全体の発症のうちの9割を占めるとのこと。

レポートでは食物アレルギーに対する関心が高まり、病院などに検査をしてもらう保護者が増えたため、計測数字上の発症率が増えた可能性もあると指摘している(つまりこれまで潜在的アレルギー患者だった子どもの多くが、この10年間で明確に確認されるようになったので、アレルギー保有の子どもが増えたように計測データが出た、という考え方)。その一方、アレルギーそのもののメカニズムはほとんど分かっていないため、病院での検査機会の増加以外に原因があるのかも含め、研究が必要だとコメントしている。


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