日経平均株価の下落率上位ランキングをグラフ化してみる(10月16日版)

2008年10月17日 06:30

10月16日暴落イメージすでに[株式市場雑感(08/10/16)]などでお伝えしているように、2008年10月16日の東京株式市場は前日のアメリカ市場の大幅な下落や、アメリカ経済の先行き後退感を如実に表すような経済指標の発表、さらには世界各国市場の安値展開を受けて全面安の状態となった。いつものごとく(?)日経平均先物ではサーキットブレーカーが発動し、事態の異常さをあらためて実感させるような状況に。その後買戻しの気配もほとんど見られず、終値ベースでは日経平均の下落率は-11.41%をつけ、いわゆる「スターリンショック」を超えて史上二番目の値を記録した。ここまで短期間のうちに「上昇率」「下落率」の上位記録が塗り替えられるのも色々と複雑な心境ではあるのだが、表の更新と共にここに書き記しておくことにする。

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先の【日経平均株価の下落率上位ランキングをグラフ化してみる(10月10日版)】【日経平均株価の下落率上位ランキングをグラフ化してみる】にもあるように、先週は日経平均株価の歴史に刻まれるようなレベルの下げ幅が記録された。しかも8日水曜・10日金曜と「週内に二度に渡る」という、投資家にとっては悪夢のような一週間といえる。さらに先日10月14日は【日経平均株価の上昇率上位ランキングをグラフ化してみる】にもあるように、史上最大の上げ幅を記録するに至り「10月8日からの一週間で、東京株式市場は史上三番目・四番目の下げ幅と、史上最大の上げ幅を記録」していた。

そして16日にいたり、過去直近の2回の大幅下落を上回る下落率を記録する急落が、市場を震撼させたことになる。

これで、この二週間で10月16日も含めて三度の「(それぞれの下落日において)史上三位以内の下落率」、そして「史上最高の上昇率」を記録したことになる。さらに一週間以内に三度も日経平均先物がサーキットブレーカーを発動させているなど、先週・今週における二週間の相場の動きがいかに「異常事態」であることがお分かりいただけるはずだ。

さて、日経のサイト上にある、日経平均株価の下落率ランキングを見てみることにする。10月16日の数字も反映された、記事執筆時点で最新のもの。

2008年10月16日時点の、日経平均株価下落率ランキング
2008年10月16日時点の、日経平均株価下落率ランキング

当然のことながらトップには相変わらず(そして幸いにも)1987年10月20日の「ブラックマンデー」における-14.90%が座している。第二位には今回の-11.41%が。そして第2位からスライド式に第3位に落ちた、1953年3月5日の「スターリンショック」における-10.00%がその位置を占めている(それぞれの下落時の説明は[日経平均株価の下落率上位ランキングをグラフ化してみる]を参考のこと)。半世紀以上も前の歴史的事件を超える下落率であることからも、16日の下落率がいかに大きかったかがうかがいしれる。

また、この日の日経平均株価の推移を見ると、やはり「階段型」チャートを形成しているのがわかる。

2008年10月16日の、日経平均株価推移
2008年10月16日の、日経平均株価推移

先の二回の急落と比べるとやや売りの勢いが弱かったからか、あるいは今回は耐性がついていたからなのか、階段の形が崩れるのがやや早い傾向がある。しかしなかなか日経平均採用銘柄が売り一色で寄り付かずに、五分毎に値が動いたタイミングで少しずつ約定し、日経平均そのものも動く状況は以前のものと同じである。

続いてこれを、日経平均株価の記録が残っている1949年以降の株価推移のグラフと共に、下落率9位まで(要はこれまでのに16日のを追加した)、そしてせっかくなので上昇率5位までを加味した図を作ってみることにする。

日経平均株価推移と、日経平均株価下落率上位8位・上昇率5位まで(2008年は10月14日時点の株価)(クリックして拡大)
日経平均株価推移と、日経平均株価下落率上位8位・上昇率5位までまで(2008年は10月14日時点の株価)(クリックして拡大)

無理やり縮小したのでかなり読みにくくなっているが、クリックして細部を確認してほしい。なお上昇率の上位選択を五位までにしたのは、これ以上増やすとグラフそのものが文字で埋め尽くされかねないことと、上昇率においてはこれより下はあまり差異がなく、掲載の意味が薄いため。下落率が9位までなのは、繰り返しになるが前回の図が8位までだったので1つ追加したため。

このようにして見ると、いかに10月8日からの市場展開が歴史的で特異な期間であることが分かる。何しろ「下落率第二位・第四位・第五位」「上昇率第一位」の日をすべて含むのだから。

以前の記事の繰り返しになるが、これほどまでに乱高下な展開となるような市場動向は、過去に類を見ないと断じて良い。レバレッジをかけた取引の場合、ちょっとしたミスが言葉通り命取りとなる場合もある。過流動性やスタンピード現象が顕著に見られることもあり、くれぐれも個人投資家諸氏には注意してほしいところである。

そして、決して、早まった行動をしないように。


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【過去60年間の日経チャートと「7%」「20年サイクル」・本当に「長期投資」は必勝法なのか】

(最終更新:2013/08/02)

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