日経平均株価の下落率上位ランキングをグラフ化してみる(10月10日版)
2008年10月11日 12:00
すでに「株式市場雑感(08/10/10)」などでお伝えしているように、2008年10月10日の東京株式市場は金融信用不信と市場の過流動性、そして信用収縮を起因としたファンドの換金売り攻勢、アメリカ市場などの軟調、さらには大和生命の破たんなどがあり、全面安の展開。日経平均の下落率はブラックマンデー・スターリンショックに続く市場三番目(-9.62%)となった。今となっては未熟といわれても仕方の無い「金融工学」によって作られた金融商品の暴走と、それを取引する関係者のモラルハザードが引き起こしたともいえる一連の「金融工学暴落」について10月8日に記事を書き起こしてからわずか2日で、その記録が更新されてグラフを書き直さねばならない事態におちいるとは、夢にも思っていなかった。
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まずは日経のサイト上にある、日経平均株価の下落率ランキング。10月10日の数字も反映された、記事執筆時点で最新のもの。
2008年10月10日時点の、日経平均株価下落率ランキング
10月10日の下落を赤、2日前のを青で囲ったが、それより上に来るものは「1987年10月20日のブラックマンデー時の-14.90%」「1953年3月5日のソ連指導者のヨセフ・スターリンの死去に伴うスターリン・ショック時の-10.00%」の二つしかない。いずれも歴史に名を残す出来事であることを考えると、いかに大きな「事件」だったかが分かる……というか一週間に「歴史に名を残す暴落」が2回も起きるなど、確率的にはどれくらいの稀さなのだろうか。
続いてこれを、日経平均株価の記録が残っている1949年以降の株価推移のグラフと共に、下落率上位8位までをそのグラフ上に表したのが次の図。
日経平均株価推移と、日経平均株価下落率上位8位まで(2008年は10月10日時点の株価)(クリックして拡大)
無理やり縮小したのでやや読みにくくなっているが、クリックして細部を確認してほしい(上位8位までにしたのは先のデータに1つ追加しただけだから)。
記述中の各暴落の詳細については先の記事【日経平均株価の下落率上位ランキングをグラフ化してみる】を参照して欲しい。今回追加され第三位となった「金融工学暴落(その2)」については、日付が10月10日(「萌えの日」)ということもあり「萌えの日暴落」と命名させてもらった。スターリンだのニクソンだのといかつい名前が並んでいることもあるし、一つくらい柔らかめなものがあっても良いだろう。
このようにして見ると、いかに10月8日・10月10日の下落が歴史的で特異な事例だったことがあらためて理解できる。この一週間は「火の七日間」と呼んでも良いだろう。それぐらい酷い週だった。先の記事の繰り返しになるが、この類の記事と上記の図を更新しなければならないような事態が「今後再び」おきないことを心から祈らずにはいられない。
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(最終更新:2013/08/02)
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