初の純国産哨戒機XP1初号機、防衛省に納入
2008年09月02日 06:30
【川崎重工業(7012)】は8月29日、同社の各務原市岐阜工場において、海上自衛隊の次期固定翼哨戒機(XP-1、XP1)の試作機第一号を防衛省に納入したと発表した(発表リリース)。
スポンサードリンク
次期固定翼哨戒機XP1(各系統の作動確認中状態)
試験飛行中のXP1(YouTubeより)
次期固定翼哨戒機(XP1)は現有機「P-3C」の後継機として、防衛省が2001年度から次期輸送機(C-X)と同時に開発を進めているもの。川崎重工業では2001年11月に防衛省から主担当企業に指名され、協力機体会社をはじめとする開発参画企業とともに開発作業を進めていた。開発費はC-Xとあわせて3400億円ほど。
XP1は哨戒機としては初の純国産機で、新規開発の国産エンジンを搭載し、全長は38メートル、全幅は35メートル。耐電磁干渉性に優れた実用機世界初のFBL(Fly By Light……飛行制御のためにセンサーなどを光で配線結合したもの)システム、探知能力を向上した新規開発の音響システムおよびレーダー・システムを採用。現有機を上回る速度、航続距離などが実現されている。
今回納入された試作1号機は当社岐阜工場において製造され、2007年7月にロールアウト(完成後に工場から出されること)後、地上試験を行ったのち、同年9月に初飛行をしている。その後、社内飛行試験などを重ね、予定したすべての各種社内試験を完了し、今回の納入となった。川崎重工では次期固定翼哨戒機(XP-1)試作2号機の社内飛行試験を実施中で、2008年中に防衛省へ納入する予定だとのこと。
純国産機の納入ということでもう少し話題に登ってもよいものだが、ニュースではあまり報じられず、少々寂しいお話。もっとも軍用機は元々世間一般では騒がれずひそやかに展開し、ニュースにならない方が(ニュースになるような事態が起きない方が)国民にとっても、そして軍用機自身にとっても幸せなのかもしれない。
■関連記事:
【「ガンダム」以外の防衛省の秘密兵器たち】
【川崎重工業(7012)が自衛隊向け新型国産哨戒機・輸送機を公開】
スポンサードリンク
ツイート