カンバッチメーカー使用レポート
2008年09月30日 06:30
「Garbage Shot」第九十九回。今回は先に【バンダイ(7832)、大人向け缶バッジ作成器「カンバッチメーカー」を11月18日発売】で紹介した、【バンダイ】から発売されている、写真や雑誌などの切抜きからオリジナルの缶バッジを簡単に作れる『canbadge maker(カンバッチメーカー)』を紹介。発売そのものは2年近く前のものだが、いまだに現役器として流通しているし、恐らくはこれが今シリーズでは最終型といえるほどシンプルでよくまとまっている。
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カンバッチメーカー一式
「カンバッチメーカー」には白とグリーンの二色が用意されている。見栄えなどから本当はグリーンの方が良かったのだがあいにく在庫を切らしており、今回はやむなく白を購入。スペック的には何の変わりもなし。
中には本体とトレーが2つ、バッチ用の各パーツ(上・下・透明シート・安全ピン)が10セット、テンプレートが1枚、それに説明書が入っている。バッチの上下パーツは1枚分が組み合わさって納められているので、最初は「下のパーツがない!」と慌てるかもしれない(経験者は語る)。
さて「カンバッチメーカー」は同じくバンダイから発売されている缶バッチ製作器『NEW!Canバッチgood Super』の大人向けバージョン。見た目がシンプルでおもちゃというよりは「工作機械」風なスタイルをしているのが特徴。値段もやや安めに抑えられているが、その代わり作れる缶バッチは直径30ミリの円型のみ(NEW!Canバッチ~シリーズの方はパーツを差し替えることで、色々なサイズやスタイルの缶バッチが作れる)。どちらを選ぶかは個々のニーズに合わせて考えるべきだろう。
作り方はきわめてシンプル。缶バッチにしたいイラストや写真をテンプレートに沿って円型に切り、それをトレー(1)の上にバッチの上パーツや透明シートと共に置く。本体のハンドルをギリギリと音がするまで回転させておき、パーツを入れたトレー(1)を入れ、再びギリギリと音がするまでハンドルを回す。この工程で、バッチの上パーツとイラスト・透明シートが貼り付けられることになる。物理的に押し付ける仕組みなので、この「ギリギリ」という音が少々怖い(「壊れそうなのを無理してまわしてるのかも?」と思うかも)。
パーツをのせたトレー(1)を本体にセットして……
ギリギリと音を立てさせつつハンドルを回す
空回りがするようになったら、今度は逆回転に空回りするまでハンドルを回す。これで片面は出来上がり。トレー(1)を本体から取り出して、「トレーの上に何も置かれていない」のを確認する。バッチそのものは今現在、本体内に納められている状態。
続いてトレー(2)(銀底がある方)を用意し、バッチの下パーツを装てん。本体のレバーを「2」にあわせてから、下パーツを装てんし終えてあるトレー(2)を本体に差し込む。
缶バッチの下パーツを入れたトレー(2)を本体に入れる。このあとギリギリと音を立てさせつつハンドルを回す
そしてその後はトレー(1)を入れた時と同じように、ハンドルをギリギリと回してバッチを固定させ、ハンドルを反対回転させて内部機構からバッチを外し取る。その後はトレーを開けてバッチを取り出せば出来上がり。
作業が滞りなく進めば、このように完成したバッチが乗った形でトレー(2)を取り出せる
あとはトレー(2)からバッチを取り出し、付属の安全ピンパーツをバッチ本体に取り付ければ完成となる。……もちろん実際にはもっと細かい工程があるので、説明書は熟読するように。
「カンバッチメーカー」を使って缶バッチを作る工程で気づいたこと、注意すべき点をいくつ箇条書きにしておく。
・トレーの出し入れはハンドルを「回しきった状態で」行うこと。記事表記上にもあるように「ギリギリ」と破砕音のような音が聞こえるが、これは缶バッチを物理的に押さえ込む工程によるもの。部品を斜めにするなど他の部分でヘマをしてなければ、じきに空回りするようになる。
・ハンドルの回転方向や本体レバーの位置を間違えないこと。
・トレーの出し入れの時に材料がずれないように気をつけること。ごみがすき間に入らないようにも注意したい。
・万一失敗したら、そのセットの材料はあきらめること。中途半端に曲がったり貼りついたパーツを無理に使うと本体が破損する可能性もある。
・テンプレートの内部(表の図柄部分)は直径30ミリほどだが、周囲1~2ミリほどは内側に巻き込まれる場合がある。直径28ミリくらいでデザインするとちょうど良い。
(サンプルとして作成したものは直径28ミリで円周を描いた)
・安全ピンパーツを完成した缶バッチに取り付ける際には、利用する時の図柄方向を考え、上下左右に注意すること。
あとは実際に試してみるしかないのだが、挟む図柄はある程度明るい色に調整しておいた方が良いような気がする。透明シートを通じて絵柄を見ることになるので、多少色がくすんでしまうからだ。カラープリンタを使って図を用意する時には、専用のカラー印刷用の紙を使うことはいうまでも無い。
一部利用者のブログなどを見ると、紙以外に薄い布や厚紙などを挟み込んで、缶バッチの図柄にする人もいる。独特の質感が出て興味深いものが出来そうだが、ズレの問題などもあるので普通の紙を使うよりは、一層の注意が求められる。
なお本体に同封されているパーツは10セット分。つまり缶バッチを10個作ったら品切れになってしまう。別売りのパーツは『カンバッチメーカー カンバッチセット』という名前で20個分入りのが用意されている。もし本体を購入するのなら、一緒にあらかじめいくつかまとめて買っておくと良いだろう。
缶バッチのデザインそのものはまさに創意工夫次第で何でもあり。それこそ新聞をテンプレートで切り抜いて使っても、立派なバッチが出来上がる(英語系の新聞ならインテリっぽさも演出できよう)。デザインが苦手なら【カンバッチメーカーの公式サイト】にはいくつものデザイン用紙が用意されているので、そちらを使っても良い。もちろん「カンバッチメーカー」の醍醐味は自分で好きなデザインを使って缶バッチを作れるところにあるので、オリジナルの図を用意して作った方が良いのはいうまでも無い。
今回のサンプルで用いた、缶バッチにはよくありがちな「円周に沿って文字を配する方法」だが、フォトショップや新しいバージョンのペイントショップ、イラストレーターなどの絵画系ツール、CDなどを焼くツールについてくるCDラベル製作ソフトで可能。それが面倒な場合は、探せばフリーでいくつかの(元々はCDラベル作成用だが)ツールがあるので、それを探してきて流用すればOK。
缶バッチそのものは他愛もないものだが、使い方次第で色々な活用方法が考えられる。機会があれば改めて紹介することもあるだろう。
……ところで、何で「缶バッチ」と呼ぶのかいまだに分からない。「金属製のバッジで中が空洞になっているバッチ」とWikipediaには表記されているが、それでは「缶」の説明にはならない。ブリキ缶などのあまりを用いて作ったのがその由来なのだろうか、と想像はしているのだが。誰か情報ソース付でご存知の方がいたら教えていただけるとありがたい。
(最終更新:2013/09/06)
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