フルメタル・輪ゴム銃を持つ男
2008年09月28日 12:00
親指と人差し指を使って輪ゴムを伸ばし、輪ゴムを鉄砲のように弾く「輪ゴム鉄砲」。誰もが一度ならずとも体験したことがあるだろう。子ども向けの工作教室や夏休みの課題向け教本では、割りばしを用いた輪ゴム鉄砲の作り方が紹介され、それを作ってガンマンゴッコをした経験を持つ人もいるはずだ。日常的に使われ目に留まることも多い輪ゴムを使った「鉄砲」は多くの人に馴染み深いもの。ただしその「輪ゴム鉄砲」も凝り性な大人の手にかかるとエラいことになる……という事例をいくつか紹介しよう。
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●フルメタル・ラバーバンドガン
まず最初は海外のマニア系面白ネタサイト「Ubergizmo」で紹介されていた【Metal Rubber Band Gun】。直訳すると「鋼鉄の輪ゴム銃」。
Metal Rubber Band Gun、と説明されていたもの
元記事では「小さい時に輪ゴム鉄砲でよく銃撃戦をしたものだが、もし自分がこんなスゴイ輪ゴム銃を持っていたら、自分は一番のガンマンになれたのに」と説明している。確かにアメリカ人はファミコンを巨大化したりゲーム機のきょう体を本箱にしたりと面白ユカイな発想をするものだが、わざわざ輪ゴム鉄砲をフルメタルにすることはないのに……と【元ソース】をたどり、さらにその元ソースからYouTubeの動画をチェックし、おおともの原作者を探してみたところ……
フルメタル輪ゴム鉄砲『シルバーウルフ』
なんと制作者は日本人でした(笑)。【サイコドライブRE:】というサイトの管理人・カズキン氏による作品で、サイトの言及によれば『メタルギアソリッド4』に憧れて自前で銃(もちろん輪ゴムの拳銃)を作ってしまったとのこと。
製作期間は約一か月。使用素材はステンレス、総重量は1.5キログラム。パソコン上で設計図を作成し立体化(【製作記で詳しい様子が分かる】)。輪ゴム装てん数は12本、セミ・オートマチック式。セーフティレバー、可倒式フォアグリップ、さらにはレーザーサイトも実装。その上、フラッシュライトまで装備している。実用的かどうかはともかく、ノリと雰囲気は世界最強。設計図も公開されている(【PDF、その1】【PDF、その2】)ので、工作技術と必要器材、そしてやる気のある人は挑戦してみても良いだろう。趣味と探究心と想像力と創造力もここまでたどり着き、具象化する力に昇華すれば大したものだ。銃好きなアメリカ人あたりなら数千ドル出してでも欲しがりそうな気がする。
●ガトリング・ラバーバンドガン
日本のイカす輪ゴム鉄砲が伝統工芸のような精密なステンレス銃なら、海外の物量で攻めろとばかりに登場したのが、イギリス製のモーター駆動の二連装ガトリング輪ゴム銃「DISINTEGRATOR」。【公式サイトはこちら】
モーター駆動の二連装ガトリング輪ゴム銃「DISINTEGRATOR」
やはり手動装てんのため弾(輪ゴム)を装てんするのにはやたらと時間がかかるようだが、「毎秒40発発射可能、装てん数288本」という、輪ゴム鉄砲の領域をはるかに超えたオーバースペック度には「おばかの極み(もちろんほめ言葉)」を感じざるを得ない。
通常はカメラ(あるいは重機関銃)のように三脚の上に設置して使うようだが、もちろん手で持って利用することも可能。しかし子供同士の輪ゴム鉄砲の撃ちあいに突然これを持ち込まれて撃たれたら、相手は皆泣き出すシロモノであることだけは確かだ。
実は直上の「DISINTEGRATOR」を探していた時に、もっとハイスペックな輪ゴム銃(鉄砲の域を超えている)を見つけたのだか、あまりにも記事そのものが雑多に過ぎてしまうので今回は省略。機会をあらためて紹介することにする。
それにしてもフルメタルだのガトリングだのと、子どものおもちゃも大人の創造力と実行力とノリにかかったら、とんでもないものが出来上がるという事実が実証された気がする。夏休みの工作の宿題としてこれを学校に持っていったらどうなるのか……とやんちゃなことも考えてみたが、恐らくは先生に怒られる程度では済まないので止めておこう。絶対にやらないように(笑)。
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