【更新】外食から中食、そして弁当へ!? 食品値上げで弁当箱が飛ぶように売れる現実
2008年09月24日 06:30
サラリーマンの消費動向として注目すべき現状が[産経新聞]に掲載されていた。お弁当を詰めるための弁当箱の売上が伸びる傾向にあるのだという。理由は二つ。一つは食品の値上げでサラリーマンたちが外食を控え、お弁当を持参するようになったこと。そしてもう一つは弁当を自分で作ることで、野菜をたくさん食べようという健康志向によるものだという。
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元記事ではサラリーマンやOLを取り巻く昼食環境が日々厳しくなっていく状況が語られている。[マクドナルド(2702)] や[松屋フーズ(9887)]など、代表的なファストフード店では値上げが相次ぎ、「働きびと」たちの財布を直撃。一方で【昼食代 1年間で20円安 現在570円ナリ】や【サラリーマンの小遣いと昼食代の微妙な関係】でも分析したように、昼食にかけられる「予算」は減少の一途をたどっている。
また、4月から始まった特定健診で体格上の問題を指摘された人が、最初に手がける生活習慣の改善は「食生活」。とかく塩分・油分・カロリーの高い外食を避け、自前の料理(しかも出来れば健康的な食材、特に野菜を多めに)を詰めたお弁当を持参するのが一番。食材を揃えるには色々と手間ひま予算がかかるという意見もあるが、家庭を持つサラリーマンなどなら、前日のおかずの残りを(一部)詰め込むことで費用と時間を節約することもできる。
以上の二点、つまり「昼食に費やせる予算の減少と外食費の高騰」「食生活の健康志向」から、昼食にお弁当を選択する人が増え、結果としてお弁当箱のニーズが急増しているのだという。具体的な例として次のような現象が、元記事では挙げられていた。
・小田急百貨店新宿店の場合。春先がピークであとは売上が落ちるはずの弁当箱がコンスタントに売れている。(夏の暑さで売上が落ちる)8月ですら堅調で、前年同月比2割増。
・上記店舗では「40代~50代の女性(夫用)」「自分の弁当箱を選ぶ男性」が目立つ。
・【象印マホービン(7965)】では保温弁当箱の売上が前年比2倍。おゃれな商品が人気。
確かに、例えば『アマゾンで象印マホービンのランチジャーを検索してみると』想像していたのとははるかに違う、オシャレなデザインのものが増えている。中にはいかにも女性向けというものも多い。当方(不破)はお弁当箱を利用する機会がないので関心を向けておらず、先の「サラリーマンの小遣いと昼食代の微妙な関係」でも「おにぎりなどできるだけ安い食品を選ぶ」「安めの社員食堂を利用」しか選択肢として頭に浮かんでこなかったが、なるほど「自前のお弁当」という選択肢が選ばれるのも十分にありえる話。
これが全国的な傾向なのかどうかは、実際に各種調査機関による調査データの登場、デパートやスーパー・雑貨店などの出荷データ、あるいは上記の「象印マホービン」などのような関連企業の決算資料の発表を待つしかない。しかし先のアマゾンのお弁当箱のラインアップと、そのコメントを見る限りにおいても、利用者が増加傾向にあることは容易に想像がつく。
食材・素材の値上げに歯止めがかからず、外食産業の商品価格が高止まりの傾向を見せる中、食品への安全志向や健康への注力の高まりもあわせ、お弁当への注目はますます高まっていくのかもしれない。
(最終更新:2013/09/06)
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