身体でもっとも大切な器官「心臓」。その危険信号を知っておこう
2008年09月24日 06:30
すべての他器官に血を行き渡らせる「ポンプ」の役割を果たす、体の器官の中でも最重要な臓器の一つ、「心臓」。一番大切なモノを「心の臓」と表現することもあるように、心臓は人間が健康的な生活を続けるために、正しい活動をしてもらわねば困る器官に他ならない。ところが人は自分の心臓を視認できないため、心臓のトラブルについてあまりにも無知すぎる。そのために「心臓がちょっとトラブルを起こしているよ」という体のシグナルを見逃しやすい。ぜひとも知識を身につけるべきだ……と【HealthDay】で専門医が警告している。
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現代医学は進歩を続けており、心臓にトラブルが発生した兆候を見つけても、必要な処置を施せば命を救うことができる。しかし「(医療関係者が到着して)気がついた時にはもう手遅れ」という場合も少なくないという。事実アメリカでは毎年33万人もの人が、病院に到着する前に心臓関連の疾患で亡くなっているとのこと。
次に挙げる現象は、心臓発作、あるいは心肺停止の兆候の可能性がある。これらの症状に気がついても「どうせ大丈夫さ」と楽観視せず、「アメリカにおける33万人」と同じような目にあわないよう気をつけるべきだろう。
・胸の痛み。または胸部に圧迫感や締め付けられるような感触がある。
・息切れ。
・極度の疲労。
・左腕にいたる部分への放散痛。
・あごや頸部の痛み。
・上腹部の痛み、または消化不良のような感触。
・吐き気。
・突然に発汗すること。
・めまい感やふらふら感、時には失神してしまうこと。
これらの症状が新たに感じられたら、ぜひとも医療機関で調べてもらうべきだ、他人の目など気にする必要はない、と原文では語っている。特に女性は「心配性だな、と思われたくない」「お医者さんに無駄な時間を費やさせたくない」と考え、検査を忌み嫌ってしまう傾向があるそうだ。そして心臓疾患による突然死は、これらの症状が見られても無視した人に多いとの話もある。
他の研究結果として心肺停止になった406事例のうち、三分の二は第三者に目撃されている、そしてそのうち25%は事前(2時間前)に胸の痛みを訴え、17%には息切れの傾向があったという。そしてCPR(心肺蘇生法)を受けた人の生存率は約23%に達するのに対し、受けなかった人はわずか4%でしかなかったとのこと。つまり身体のシグナルをしっかりと受け止めて素早く対処(病院におもむく)していれば、多くの人が助かった可能性があったということだ。
元記事では次のようにまとめている。「この研究結果が語りたいことは次の通り。何か症状が見受けられたら、放置する必要は無い。心配性とあざけり笑われることを気にすることもない。自分の心の中の『大丈夫かな』という心配を100%クリアしたいのなら、すぐに病院に行くことをオススメする」と。
最近では公共機関の多くで「AED(心臓救命装置)」をみかけるようになった。心臓まひをおこして倒れた人を、その場にいる第三者が使って救うための器械である(【日本心臓財団専用ページ】)。心臓に関する疾患は、医学技術的にはほぼ完璧に処置できるものでも、(上記のアメリカの事例にもあるように)時間的に間に合わずに命が救えない場合も多い。自分自身の症状のことは上記のチェックリストを頭に入れておき注意を心がけると共に、他人についてはAEDが何物であるのか、そしてどのような使い方をするのかくらいは一通り目を通しておくべきだろう。
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