米主要金融企業の社長たちが失った自社株資産をグラフ化してみる

2008年09月22日 12:00

リーマン・ブラザーズのディック・ファルド会長兼CEOの資産推移イメージ先に【リーマン・ブラザーズ社員の憂鬱……株価急落で失われた1兆円】で、先日破綻したアメリカ証券会社リーマン・ブラザーズのディック・ファルド会長兼CEOが「記事執筆時点で」自社株の保有分とストックオプションあわせて9億1600万ドル(約1000億円)ほど損をした(正確には得をする機会を逸した)ことをお伝えした。これに限らずアメリカの企業の多くはCEOが報酬の多くを自社株、あるいはストックオプションで受け取り、自社の成長と共に自分の富をかさ上げしていくシステムを採用している。ところが【「1年の間にアメリカが失ったもの」をグラフ化してみる】にもあるように、多くの、特に金融系企業が株価を大いに下げ、同時に彼らCEO・元CEOの資産も目減りする状況が生じている。【NewYorkTimes】では先日、彼らの資産がどれほど急激に減ったのかを示す数字を算出していた。今回はそれをグラフ化してみることにする。

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元記事の説明には「投資家の多くは『昨今の株価急落でもっとも痛手を受けているのはそれぞれの会社のCEOや元CEOじゃないのかな。彼らは報酬の多くを株で受け取っていたわけだし』と想っているに違いない。さてその実態は……」とある。実際の数字を見ればお分かりの通り、一般投資家の立場からすれば「痛手」どころか「致命傷」が何回繰り返されるのかというくらいの額を減らしている。

主要金融系企業のCEOや元CEOの保有自社株式の価値変遷(今年1月と9月19日時点)(クリックで拡大)
主要金融系企業のCEOや元CEOの保有自社株式の価値変遷(今年1月と9月19日時点)(クリックで拡大)

ごく一部に資産を増やしているCEO(JPモルガンチェースのJAMES DIMON氏)もいるが、ほとんどは大きく目減りしているのが分かる。中には「ほとんど無いに等しい」CEOもいるのが分かる。もちろん彼らの報酬はこれがすべてではなく、現金などもあることや、自社株の株価下落の責は多分に自身にあるので、一概に「可愛そう」の一言で済ますことはできないのだが。

また、元データではポールソン財務長官がゴールドマンサックスのCEOだった時代に保有していた株式に関するデータが掲載されている。しかし長官は2006年の就任時点で持ち株323万株を売却しており(利益相反のため)、現時点で持っているとは思い難い。恐らくは元資料作成側の勘違いか何かと思われる。

上のグラフにおける数字の単位はすべて「億ドル」、つまり「1単位」分で日本円では「105億円」に相当する。いかに大きなお金(あるいはそれに替わりうるもの)の価値が変動し、それらを特定の個人の手のひらの上で上下しているかが理解できよう。


(最終更新:2013/08/03)

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