「大人の条件」は「責任感」「判断力」「精神的成熟」
2008年09月18日 08:00
内閣府は9月16日、「民法の成年年齢に関する世論調査」を発表した。それによると「子どもが大人になるための条件」として、経済や肉体的な「物理的成長」ではなく、責任を取れることや判断能力など、「精神的成長」が条件であると考えている人が多数を占めていることが明らかになった(【発表リリース】)。
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今調査は民法上の成年年齢の引き下げに関する国民意識の把握を目的として行われたもので、調査期間は7月10日から27日。無作為抽出によって18歳以上の5000人を対象に、個別面接方式で実施された。有効回答数は3060人。男女比は1431対1629。年齢階層比は18~19歳が男女とも20人強で、あとは10歳区切りで約200人から300人足らずまで。50代・60代の割合がやや多め。なお民法では20歳未満の人を「法律行為ができない制限能力者」と定め、大人ではないとしている。
現在民法上で20歳が大人と子どもの区切りとされているが、それでは子どもが大人になるには年齢の区分以外にどのような条件が必要なのか尋ねたところ「自分がしたことについて自分で責任をとれること」という意見がもっとも多くを占めていた。
子どもが大人になるための条件
「経済的な自立」「社会での労働」「肉体的な成熟」「結婚」など、形に見えるもの・物理的なものの選択肢は押しなべて回答率が低く、「責任感」「判断力」「精神的成熟」「社会人としての学力・知識」といった精神的な成熟の選択肢に多くの支持が集まっているのが分かる。これらの項目をして「子どもが大人になる」、言い換えれば「大人足るものには必要不可欠な条件」と多くの人が認識していることになる。
逆説的に考えれば、それだけ今の日本には「大人」な人が少ないこと、大人のような子どもが多いことを意味する。7割以上の人が「大人の条件」としてあげている「自分がしたことについて自分で責任をとれること」一つをとっても、例えばテレビに登場するさまざまな「年齢上は大人の人たち」のうち、どれほどまでが条件を満たしているだろうか。
すでに民法上は大人の人も、表上の上位項目を読み直し、自問自答してみる必要があるかもしれない。
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