欧米主要五紙に見るリーマン・ブラザーズ破綻の衝撃
2008年09月16日 06:30
先に【米リーマン・ブラザーズ、破産法申請・買収交渉など決裂のため】で伝えたように、アメリカの証券銀行リーマン・ブラザーズは現地時間9月15日深夜、自力での経営再建は困難と判断し、アメリカ連邦破産法第11条(日本の民事再生法に相当)の適用を申請したと発表した。これに伴いバンク・オブ・アメリカが証券銀行第三位のメリルリンチを株式交換で買収することを決定したり、大手の保険会社AIG(アメリカン・インターナショナル・グループ)が急速な資金不足におちいるなど、日本市場が敬老の日でお休みだった9月15日は、大きな衝撃が世界中の証券市場を駆け抜けた。主要新聞社系ニュースサイトも大きく今件を伝えている。そこでここでは、当方(不破)が巡回している欧米の新聞社ニュースサイトにおける、リーマン・ブラザーズの破産法申請適用が伝えられた直後の状況を並べて見ることにする。どれだけ大きなニュースであったかが分かるはずだ。
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Funancial Times
まずはイギリスの経済系専門誌【Financial Times】。トップで「Wall Street in turmoil(ウォールストリートは騒ぎの渦中に)」と題目があり、本社ビルから荷物を運び出すリーマン・ブラザーズの社員たちの様子が映し出されている。
The Wall Street Journal
続いてアメリカの経済紙としては恐らく一番知名度が高いであろう【The Wall Street Journal】。トップ記事のタイトルは「リーマンブラザーズがこけ、メリルリンチが身売りされ、AIGが手持ち現金を積み増ししようと四苦八苦、ウォールストリートは未曾有の危機に」という、満漢全席状態。写真は下落するリーマン・ブラザーズの株価動向と同社ビル。下の記事には「リーマンのニュースは世界中の株価に大きな衝撃をもたらした」との表記も見える。
USA TODAY
次は【USA TODAY】。1982年に創刊された、アメリカでは初の一般大衆紙。アメリカ全州で発売されているのが特徴。見やすいデザイン、分かりやすい図解での説明など、大衆向け記事構成に配慮している。トップ写真は台風がもたらした被害の様子だが、右側の一般記事の大見出しは「Markets in for wild ride(市場は大暴れ)」。リーマンの破綻とバンク・オブ・アメリカによるメリルリンチの買収で大混乱におちいった市場状況を表している。下の箇条書き記事には「世界市場がウォールストリート発の大急落に見舞われた」「Fed(連邦準備制度)は市場危機に際しあらゆる手を打つと発表」「AIGは大規模なリストラを実施すると伝えられる」など、市場が大騒動になっていることをうかがわせる文字が躍っている。
BBC NEWS
小ネタを時々利用してる、イギリスの有名な報道機関【BBCのオンライン版】もトップはリーマン・ブラザーズの破産申請。「アメリカのトップクラスの投資銀行(実際には第四位)が破産法申請。世界中のマーケットに大打撃をもたらしている」と説明されている。右中央部にはマーケットの状況が描かれているが、3~4%強の下落を見せているのが分かる。
Mail Online
最後にイギリスの大衆紙「Daily Mail」のオンライン版、【Mail Online】。特に女性と動物の写真が多いことで有名な新聞サイトだが、ここでもトップはリーマン・ブラザーズの件(中央を大きく飾る写真はさすがに別ニュースの女性のものだが)。「Black Monday(ブラックマンデー・暗黒の月曜日)」と過去の事例をなぞらえるようなキーワードで説明した上で、イギリスの中央銀行が「ウォールストリートの巨人」のリーマンが破綻したあとに、市場の混乱を避けるため、多額の資金を注入したことを伝えている。
以上、やや片寄ったリストアップとなったが、欧米の主要経済五紙について、リーマン・ブラザーズの破綻直後のトップページを見渡してみた。いかに大きなニュースだったことが分かるだろう。
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