明治乳業と明治製菓、持ち株会社「明治ホールディングス」設立で経営統合を正式発表
2008年09月12日 06:30
乳業では最大手の【明治乳業(2261)】と菓子業界では第二位の【明治製菓(2202)】(トップはロッテ)は9月11日、2009年4月1日に経営統合を行うと発表した。持ち株会社の「明治ホールディングス」を設立し、両社がその傘下に入ることになる。現時点では持ち株会社の社長には佐藤尚忠氏(明治製菓社長)が、副社長には浅野茂太郎氏(明治乳業社長)が就任する予定(【発表リリース、PDF】)。
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リリースなどによれば人口減少・高齢化社会到来などによる市場規模の縮小、資源高、企業間の競争激化が進む一方で、食生活の多様化、健康意識や安全性へのニーズの高まりなど一層の開発力・マーケティング力が求められる状況をかんがみ、お互いのブランド力・研究開発力・技術力などの経営資源を最大限に活かすのが最善であると判断。現状の「独立性を保ちながらの強い協力関係」をさらに推し進め、経営統合という形で発展させることにした。
新設される持ち株会社に対しては、明治製菓の株式1株に「明治ホールディングス」の株式0.1株を、明治乳業の株式1株には「明治ホールディングス」の株式0.117株を割り当てる。また、共同持ち株会社の単元株式数は100株となる。経営統合後の新会社は、乳業、菓子、薬品、育児用品などの複合事業体となり、2012年3月期には連結決算として売上1兆3000億円・経常利益500億円程度を想定しているという。また現時点でも売上高は単純計算で1兆1000億円に達し、食品や医薬品の複合食品企業としては(ビールなども含めた総合食品企業を除くと)【味の素(2802)】に続く業界第二位に浮上することになる。
なお今件については9月10日の時点で一部報道(第一報はNHK)によって伝えられていたが、同時点では両社ともこれを否定していた。
名前から想像がつくように、両社は元々根を同じくするところ(1910年代に明治精糖・現在の大日本明治製糖の子会社として前身の会社が設立)としている。今回の持ち株会社化は、いわば協力しながら別々の会社で働いていた兄弟が、手を取り合って一つの会社を設立するようなもの。
今回の経営統合が原材料費の高騰などで厳しい状況が続く食品業界において、新たな動きの引き金をひくことになるのか。明治製菓・乳業自身の動きと共に、同業他社の動向にも注目したいところだ。
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