携帯電話の写メで捜査協力・ニューヨーク市が写真や動画の情報提供システムをスタート
2008年09月11日 08:00
アメリカのニューヨーク市当局は9月9日、市民からの犯罪に関する写真、そして動画による情報提供の受付を開始すると発表した。日本の110番に相当する911番に連絡を入れた通報者が、ニューヨーク市警察のリアルタイムクライムセンター(逐次犯罪情報窓口)宛に、パソコンや携帯電話から写真・動画で情報を送れるようになる(【発表リリース】)。
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当局者は「情報提供という観点からすれば、動画や写真は1000の言葉に勝る価値がある」とし、積極的な利用・提供を呼びかけている。ブルームバーグ市長もリリースの中で、「素早く、より活用できる情報提供が行え、それを受け取れるシステムを作ったことで、当局側はよりよい地域サービスを展開できる。最近の携帯電話はデジタルカメラを装備しているタイプが多いから、市民は犯罪捜査・解決に役立つ情報提供ができるようになるだろう」とコメントしている。
実際、ニューヨーク市警察には911番あてに年間1100万件もの通報が寄せられるというまた、一般生活に関する苦情を受け付ける市民サービス311番にも、1500万件もの苦情が寄せられている。ニューヨーク市ではこの311番あてについても、例えば「壊れた交通標識」「交通渋滞」「パーキングメーター駐車場施設の破損」「公園など公共機関の問題」「動物の放置」「公衆電話の故障」などを見かけたら、写真や動画を送って欲しいと呼びかけている。
市民からの諸問題の訴えを電話やメールで受け付けるサービスは、それこそ日本でもウェブサイトを持つ地方自治体ならどこででも行われている。しかし携帯電話からの投稿も含めた画像や動画を、通常の緊急連絡コール(日本なら110番)と同レベルの高警戒度・スピードで受け付ける体制が整ったという話は、あまり聞いたことがない。パソコンでわざわざデジカメ上の画像を展開して云々というのも「素早く通報」にはなじまないので、恐らくは利用者のほとんどが携帯電話経由を想定しているのだろう。
詳しいシステムや画像・動画データ受領後の当局側の処理についてはほとんど言及されていない(通常の「通報」同様に扱うようだ)。どのように分析、データの蓄積化が行われるのかは気になるところ。
ともあれ、携帯電話そのものが大いに普及したこと、デジタルカメラ機能が情報伝達装置として「有効な」使われ方をする事例の一つとして、その成果に注目すべきシステムには違いは無い。今後犯罪検挙率が上がるかどうか、気になるところではある。
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