国別の「ぜいたく度」が分かる世界地図
2008年09月08日 12:10
食品やガソリン代、家賃や教育費など生活の上で欠かせない出費以外にも、衣服や電気機器、お酒やたばこなど、人々は多くのお金を娯楽品に費やしていく。レジにそれらの商品を持っていき財布からお札を取り出した時、「他の国ではどれくらい買われているのかな」と疑問に思ったことはないだろうか。【NYTimes】では娯楽品を「衣服や靴」「電気製品」「たばことお酒」「家具」「レクレーション」の5項目に大別し、それぞれへの2007年における国別支出総額を図式化した世界地図を公開した。どの国がどんな規模で娯楽へお金を出し、またその国における娯楽の項目別の支出額が把握できる、いわば「贅沢度のものさし」ともいえる興味深い地図である。
スポンサードリンク
世界娯楽品地図(衣服と靴)
マップ上の上部には5つのタブ「CLOTHING&FOOTWEAR(衣服と靴)」「ELECTRONICS(電気製品全般)」「ALCOHOL&TOBACCO(お酒とたばこ)」「HOUSEHOLD GOODS(家具)」「RECREATION(レクレーション)」が用意されている。クリックするとそれぞれの項目の地図が描かれる。
また、それぞれの国の四角形の大きさは、そのままその項目における額の大小を示す。大きければ大きいほど、その項目におけるその国の支出総額が大きいことを意味する。カーソルをそれぞれの四角の上におけば、その国の具体的金額が表示される。ちなみに四角の色は一人当たりの支出額の区分。色が青いほど一人の支出額が大きく、紫~白に近くなるほど小さくなる。
例えば上記の「衣服と靴」のマップの場合、アメリカがずば抜けて巨額の支出をしていることが分かる。またヨーロッパ各国も、エレガンテなイタリアやジョンブル魂のイギリスなど、主要国が押しなべて総額・一人頭の金額が高いことが分かる。一方で日本は総額ではそれなりだが一人当たりの額は高め、中国は総額は日本以上であるものの総人口が多いため一人当たりの額は少ないことが見て取れる。
続いて「たばことお酒」の地図を見てみることにする。
世界娯楽品地図(たばことお酒)
総額は「衣服と靴」同様にアメリカやヨーロッパ諸国が大きいのだが、一人当たりの額が意外にもノルウェー・フィンランド・スイス・アイルランドなどヨーロッパ周辺の中小国の方が高い(色が濃い)ことがわかる。これは【値上げで禁煙者は増えるのか・諸外国に見る成功例と失敗例】や【たばこと酒を止めれば月1万円のおこづかいがもらえる制度】にもあるように、これらの国では喫煙者・喫煙本数が多く、また健康対策などとしてたばこの単価が高いことが総額を押し上げているものと思われる。
最後に「家具」を。
世界娯楽品地図(家具)
他の項目マップ以上に、アメリカが総額において大きな値を示していることが分かる。これは単にアメリカの人口が多いというからだけではなく、【当たりが出なくてももう一つ●●がもらえる時代】でも触れているアメリカの住宅事情(日本などと違い、アメリカの住宅は内部の調度品として家具一式がセットになって販売される場合がほとんど)によるところが大きい。
日本では改正建築基準法の問題や供給過剰で住宅市場不況が進行し、それと共に関連業種の一つとして家具業界も不信にあえいでいる。しかしアメリカでは、日本以上に住宅問題が各周辺産業に大きな影響を与えているという事実の一辺を、かいまみることができよう。
ちなみに各項目における日本の値は次の通り。
「CLOTHING&FOOTWEAR(衣服と靴)」……751億ドル
「ELECTRONICS(電気製品全般)」……177億ドル
「ALCOHOL&TOBACCO(お酒とたばこ)」……775億ドル
「HOUSEHOLD GOODS(家具)」……862億ドル
「RECREATION(レクレーション)」……2758億ドル
日本は他の先進諸国と比べて意外に娯楽方面への出費が少ないように見えるが、「お酒とたばこ」だけはアメリカに次ぐ値を示している。これはひとえにたばこへの規制が緩やかであることからのものだろう。
そのような点も含め、今地図は娯楽の面から各国の状況をつかめることができ、色々な分析が楽しめるものといえる。特にアメリカがとの項目でも非常に大きな値を見せ、2007年の時点でいかに「世界の消費を引っ張ってきた」かが分かる。
実際に該当ページにアクセスし、今回掲載しなかった「電気製品」や「レクレーション」項目、そして各国の具体的な値などをチェックしてみることをオススメする。きっと色々なことが分かってくるに違いない。
(最終更新:2013/08/03)
スポンサードリンク
ツイート