田んぼの区画単位で直接お米を購入できる「農力村」
2008年09月08日 08:00
【アエリア(3758)】は9月3日、ハナツキとの共同事業として田んぼのオーナー制サイトサービス【農力村】を同日から開始したと発表した。農家(生産者)が収穫したお米を「区画単位」で購入してオーナー気分を堪能できるサービス(【発表リリース、PDF】)。
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農力村トップページ
「農力村」では応援したい生産者が収穫したお米を、お米そのものではなく区画単位で購入できるというもの。収穫されたお米は日付を指定して、発送期限内に購入者の元に届けられる。さらに発送先を別途指定することで、第三者へのプレゼント、さらにはお祝い品として利用することもできる。
農力村システム(トップページから抜粋)
販売区画は1アール(10×10メートル)~10アールまでで、今年の11月4日から来年度の新米受付を開始する。また、サービス開始にともない、9月1日からは「今年度」の新米に関する通常販売が行われている。
生産者毎に生産されるお米の種類や育成環境、収穫量、そして価格などに違いがあるのも今システムの特徴。今年度分の販売の場合、1アール当たりの収穫量は40~50キログラムで、価格は3万8000円~6万8000円(1年間の収穫分)。なおお米は分量に従い年数回に分けて(1アールの場合は年8回)購入者に送られてくる。
田んぼを提供している生産者の「顔」が見えるのも「農力村」の特徴の一つ。サービスサイト上ではそれぞれの生産者の細かなプロフィールやお米作りにかける想い、現在の田んぼの様子、成約状況などを知ることができる。またサービスサイト上にはリンクが無く、ブログへの埋め込み機能も許可されていないが、【動画共有サイトYouTubeで検索すると】一部農家の「生の声」を見聞きすることもできる。利用者はそれぞれの田んぼの特性や生産者の意気込み、ポリシー、収穫予定量などを見極めた上で、購入を決めることができる。
生産農家のリスト。現在は4人から選べる
販売されるのは各「田んぼで収穫されるお米を購入する権利」なので、価格の変動は無く、発送のタイミングも購入者が自由に指示することが可能(送料は無料)。また今後の試みとして、田植えや稲刈りなどの農業参加イベントも企画中であるという。
一方で土地の購入やお米の転売、権利の転売・譲渡は出来ない。さらに天候不順などで不作となっても返金をする制度は無い(収穫そのものが出来なかった場合は返金される)。また、お米は生産者がそれぞれのこだわりの方法で創っているので、リクエストは原則受け付けていない。
実は一部の農産物を除きあまり知られていない話ではあるが、日本には山林や里山、ワインや焼酎、牛や豚、野菜や果物など多種多様なオーナー制度が存在している。お米のオーナー制度に限っても【検索すればお分かりのように】地方自治体単位で見れば複数のサービスを見つけることができる。今回展開される「農力村」は日本の各地から生産者を集めていることや、完全にネット経由でのオーナーとしてサービスを利用できるあたり、他のサービスとは違った特徴を持っているといえよう。
地元で生産された野菜などを直接購入する、国産の野菜を選択する以外に、今回の「農力村」のようなサービスを使い、直接日本の農業を支援する方法もあることを、知っておくのも良いだろう。
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