「買う量、数を減らす」主婦たちの賢い節約意識が市場を左右する!?
2008年09月01日 08:00
女性、特に主婦層のマーケティングを行うハー・ストーリィは8月28日、主婦層の景気感と節約行動に対する調査結果を発表した。それによると物価高や不況から節約を意識するようになった主婦が具体的にとった行動の中で、もっとも心がけている節約行動は「買う量か数を減らす」で、全体の3割近くを占めていた。その他上位についた選択肢を見ると、昨今の景気動向に関連する市場動向の変化(原因)の一端が見えてくる(【発表ページ】)。
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今調査は全国の主婦に対して4月28日に行われたもので、有効回答数は531人。年齢階層比は30代が45.6%、40代が35.8%など。なお今回取り上げる項目の直接対象者(節約を意識している人)は485人。
節約行動をしている人に対し、具体的にどのような節約をしているかを一つだけ選んでもらったところ、一番回答が多かったのは「買う量や数を減らす」だった。
節約に際し、どのような行動を心がけているか。もっとも心がけているものを一つ。
次いで「特売日に買う」「安い商品をまとめ買いする」「チラシを比較して最も安い店で買う」など、昨今の不況時のみで無くとも普段から倹約を心がけている主婦なら日常茶飯事的にしているような行為が続く。逆に考えれば、不景気を実感したことで日ごろの心がけを再認識すると共に、より厳しい目で立ち向かうようにと気を改めたものなのだろう。
また上位から選択肢を読み返すと、日用品・消費財において最大の購入層である主婦の節約行動と、昨今の小売業を中心とした対人サービス業全体の動向とにおいて、深く結びつくところが多数見られるのが興味深い。
対人サービス業のすう勢と
大きな関連性がある
例えば「買う量や数を減らす」は小売全体の不調に結びついているし、「特売日に買う」「安い商品をまとめ買いする」はデパート・スーパー業界で衣料品など他部門が軟調なのにも関わらず、食料品が極めて良好な成績を上げていることと深い結びつきがある。デパートなどの業界団体の月次レポートでは「そのような傾向があるのは恐らくまとめ買い・特売を狙っているからでは」という観測が記載されていたが、主婦の観点からの取得データである今調査結果は、その推測を裏付けるデータとなりうる。
「チラシの比較~」はネットチラシの普及と関連サイトの活況ぶりに結びつくし、「安い業態の店で買う」は100円ショップ領域への他部門店舗の進出(例えば【セブン&アイも安売り業態に進出「ザ・プライス」1号店「ザ・プライス西新井店」を29日に開店】)の一大原因と見なすこともできる。
景気動向に非常に敏感で、ある意味では「最前線」で常に戦っている主婦たちの意見は、決して軽んじられてはならない。また彼女らの動向に着目し、ニーズを見極めて対応することで、多くの需要をつかむことができる。今データは現在の不景気感や節約志向を再確認すると共に、主婦層の重要性や市場への影響力を実証しうるものといえるだろう。
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(最終更新:2013/08/03)
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