日本の公的機関による教育費、OECD28か国中最下位に

2008年09月10日 12:00

教育イメージ経済協力開発機構(OECD)は9月9日、加盟各国の教育に関する各種調査データを発表した。それによると日本の2005年における国内総生産(GDP)に占める教育への公財政支出割合は前年比0.1ポイント減少し3.4%となり、GDPが算出されているOECD加盟国28か国内で最低の値を示していたことが明らかになった(【発表リリース、PDF】)。

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調査対象はOECD加盟国の国と自治体による支出の総額が対象。一部の国では統計を取っていない国などがあったため、完全にデータが算出できた28か国を対象にした。まずは中小高校までの初等・中等教育の公財政支出におけるGDP比のグラフが次の通り。

OECD28か国の2005年の初等・中等教育の公財政支出におけるGDP比
OECD28か国の2005年の初等・中等教育の公財政支出におけるGDP比

トップはアイスランド、続いてデンマーク、スウェーデン。北欧諸国が上位に多いことが分かる。日本は下から数えて三番目となる。

続いて大学などの高等教育。

OECD28か国の2005年の高等教育の公財政支出におけるGDP比
OECD28か国の2005年の高等教育の公財政支出におけるGDP比

こちらもやはり北欧諸国がずば抜けて高いことが分かる。……日本はトップ。ただし下から数えて。

最後に全教育段階における図表。日本の立ち位置はある程度予想がつくだろうが、それに違わぬ結果が出ている。

OECD28か国の2005年の全教育段階の公財政支出におけるGDP比
OECD28か国の2005年の全教育段階の公財政支出におけるGDP比

冒頭でも触れたように、日本は3.4%で28か国中最下位の値を示している。ちなみに2003年も日本は最下位。2004年は下から二番目だった。

このような結果が出たことについては、色々な理由が考えられる。GDPが比較的堅調に伸びていること(分数における母数が増える)、少子化が進み学校が統廃合され、教育関係の経費(人件費や設備費)が減ったことも少なからぬ影響がある。極端なたとえ話だが、10人の子どもがいる家庭の教育費と、1人しかいない家庭の教育費をそのまま比較するのは無理のある話(ただし、今回はグラフ化しなかったが政府総支出に占める割合で比較しても日本は9.5%でしかなく、OECD加盟国でデータが存在する中では下から二番目に過ぎない)。

教育イメージただしそれらの留意事項を考慮したとしても、日本における公財政支出における教育への投資は少なすぎる気がしてならない。もちろん昨今の不祥事問題を考えると、単に予算を配分すればよいのではなく、効果的で無駄のない費用計上が求められよう。そして教育に携わる人たちも、期待にそった努力が求められる。

俗っぽい表現かもしれないが、教育への出費は直接子どもへの投資だけでなく、国全体、社会全体の、そしてみんなの未来のための投資でもあるのだから。

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