JA全農、燃料高騰で24億円の緊急対策費投入決定
2008年09月07日 12:00
全国農業協同組合連合会(JA全農)は9月4日、肥料・飼料・原油の価格上昇に苦しむ農家を助けるため、総額で24億円規模の緊急対策費を投入すると発表した。各地の農協が肥料や飼料、重油などの燃料を農家に販売する際に、少しでも安く供給できるよう値引きの原資として使われるる今年度はすでに60億6400万円の対策費が予算として組まれているが、今回はそれに加えての緊急対策ということになる(【発表ページ】)。
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【7月~9月期の飼料価格をトンあたり1500円引き上げへ】や【食料価格にも影響か・肥料大幅値上げ、最大で9割】にもあるように、昨今の資源高騰のあおりを受けて、酪農などを含めた農業全般の原材料費も値を上げ、農家の経営状況は厳しい状態におちいっている。JA全農ではすでに
・肥料価格上昇対策……40億8600万円
・配合飼料価格上昇対策……6億1300万円
・燃料価格上昇対策(施設園芸対策)……7億6500万円
・広報対策……6億円
計60億6400万円
を、今年度の基本対策費として投じている(他に肥料供給価格の据え置きや生産資材の手数料引き下げなどで123億円の対策費を投入ずみ)。しかし肥料・飼料・原油(各種燃料)の価格が高止まりしているため、今回24億円を新たに投じ、生産コスト上昇対策を後押し(具体的には肥料・飼料・燃料を農家に販売する際に、値が少しでも低く抑えられるように援助する)することになる。
ただしリリースの文言「緊急対策」にもあるように、今回の追加予算はあくまでも「緊急」の措置に過ぎない。今後も肥料・飼料・原油の価格は高止まりの状況を中長期間に渡って見せるだろうし、場合によってはさらなる価格上昇も想定しうる。値が下がるまで「緊急」を繰り返していたのでは、JA農協の予算がいくらあっても足りない。生産量や安全性を維持しつつ、生産構造の改善やコストダウンのためのさまざまな仕組みと工夫が、改めて求められることだろう。
(最終更新:2013/08/03)
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