すし詰め状態? 小中学校のクラス人数の多さで日本はOECD主要国中第二位
2008年09月11日 12:00
経済協力開発機構(OECD)は9月9日、加盟各国の教育に関する各種調査データを発表した。それによると日本の2005年における小中学校の、1クラスあたりの平均生徒数は小学校が28.3人、中学校が33.3人であることが明らかになった。データが確認できるOECD主要諸国中では、小学校・中学校共に第二位の多さである(【発表リリース、PDF】)。
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調査対象はOECD加盟国のうち関連するデータを算出している国が対象。一部の国では統計を取っていない国などがあったため、完全にデータが算出できた21か国を対象にした。
まずは公立と私立をあわせた全体的な小学校・中学校それぞれにおける平均的クラス人数は次の通りとなる。
小中学校それぞれの平均的1クラスあたりの人数
全般的にはどの国も小学校より中学校の方が1クラスあたりの人数が多いことがわかる(イギリスは数少ない例外)。日本は小学校・中学校共に韓国に次いで第二位の「すし詰め教室」状態であることがわかる。もっもと実際には、教室の面積も国によってさまざまだから、言葉通り「すし詰め」かどうかは分からない。とはいえ、先生の負担はやはり担当生徒の多い日本や韓国の方が大きいに違いない。
続いて私立・公立別に見た、小学校のクラスあたりの人数。
私立・公立別に見た、小学校のクラスあたりの人数
日本はクラスあたりの
人数が一番多い
イギリス・アメリカ・ポーランドなどいくつかの国では私立小学校の方が生徒数が少ないが、大勢は「私立小学校の方が人数が多い」ようだ。また、日本はスペインやポルトガルのように、公立と比べた私立の小学校の人数の多さが際立っている。
最後に私立・公立別に見た、中学校のクラスあたりの人数。
私立・公立別に見た、中学校のクラスあたりの人数
こちらも大勢は「公立>>私立」。ただし小学校と比べて中学校の方が私立・公立の差が少ないようでもある。なお、直前のグラフとあわせて見れば分かるように、私立学校に限れば日本は小学校・中学校共に1クラスあたりの人数が一番多いことになる。
前述したように、教室の面積は国・学校によって異なるため、クラスあたりの人数が多い韓国や日本が「寿司詰め教室」だったり、アイスランドやスイスの教室が「すかすか状態」なわけではない。また、国毎の教育への方針や習慣なども違うし、一概に「人数が多い少ない」で比較するのは少々無理があるかもしれない。とはいえ、多い国と少ない国で10人以上の差があるのも事実(条件を限定すれば2倍の差が生じる場合もある)。担任の先生の負担もそれだけ違ってくるのだろう。
ちなみに先の【日本の公的機関による教育費、OECD28か国中最下位に】と見比べて見ると、公的機関が予算を多く投入する国ほど、1クラスあたりの人数が少ない傾向がある。やはり先生の負担を減らし、一人一人の生徒にもっと注意を払ってもらえるようにするには、公的な資金配分が鍵となりそうだ。
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