ケータイの 分厚いマニュアル 読む人は わずかに3割 「放棄」も1割
2008年09月01日 08:00
情報サイト「ブロッチ」などを展開するアイシェアは8月25日、携帯電話の説明書に関する調査結果を発表した。それによると、携帯電話のパッケージに納められている取扱説明書について、買った時に読む人は全体の約3割に過ぎず、6割近くは「分からなくなったらその時点で読む」と回答していることが明らかになった。日々のように高機能化する携帯電話だが、それに比類する形で説明書のボリュームもアップし、全文を読むことをギブ「アップ」した人が多いことが実感できる調査結果となっている(【発表リリース】)。
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今調査は8月19日から8月21日の間、無料メール転送サービスCLUB BBQの登録会員に対して行われたもので、有効回答数は376人。男女比は58.5対41.5。年齢構成比は20代16.8%、30代48.7%、40代26.1%、その他8.5%。
電気製品は概して「機能充実度」と「説明書の厚さ・重さ」が正比例するもの。昔は紙ぺら一枚程度だった炊飯器の説明書も、今や受験勉強用の参考書並の厚さで利用者に迫ってくる(当方も現在進行形で実感中)。
ましてや次から次へと新しい機能が実装される携帯電話の場合、厚みは数センチに及び中にはぎっしりと細かい文字で埋め尽くされた説明書、さらには説明書を説明するがごとくの導入・ガイダンスマニュアルが何冊も用意されており、製品が納められた箱の容積の半分以上は説明書が占めるという始末。「もしかしたら説明書がメイン商品で、実は携帯電話本体はオマケでは?」というジョークすら頭に浮かぶほど。
その「難攻不落な携帯電話の説明書」について、購入時に目を通す人は全体で3割強でしかなかった。
携帯電話の説明書は読みますか
壮齢者向けの携帯電話には説明書が薄いものもみうけられる。またiPhone 3Gには紙の取扱説明書が無いことでも知られている。とはいえ、現在の大部分の携帯電話はパソコン向け並に分厚いものばかり。機能もパソコンに迫るものがあるから仕方ないのだが、携帯電話の普及率、利用者のIT用品への理解度を考えると「すみからすみまで全部読め」と利用者全員に訴えかけるのはやはり無理がある。
案の定、説明書を読んでいる人は全体で3割、20代に限ると2割強に過ぎなかった。一番多いのは「機能などに不明点があったら読む」、そして1割強の人が「読まない」と答えている。
自分のケータイに
どんな機能があるのか
知らずに使い続けている
「機能などに不明点があったら読む」ということは、携帯電話に自分の想定外の機能が搭載されていたとしても利用されずない可能性が高いことも意味する(知らなければ「不明」と考えること自体無いからだ)。また、「購入時に読む」と答えた人も、どれだけ機能を覚え、理解できたかまでは分からない。恐らく「携帯電話の機能」をほぼフルに活用できる人は全体の1割にも満たないのではないだろうか。
「携帯電話だって道具の一つには違いない。ならば自分が『役立つ』と感じられれば、別に機能をすべて使わなくてもいいではないか」という考えがある。それは確かに真実の一つ。例えば当方(不破)も現在SH905iを使っているが、ワンセグ機能はほとんど利用していないし、おサイフケータイ機能はまったく手も触れていない。機能が装備されていることは知っているし、使えば便利かもしれないのは理解しているのだが、現状において「必要性」を感じていないからだ。
使いたい、使うべき機能が使えればそれで満足。「せっかく搭載されているのだから、使わないのはもったいない」と、無理やり普段使わない機能を使う必要はない。それではまるで、道具を使いこなすではなく「道具に使われている、振り回されている」状態におちいってしまう。
しかしその一方で、自分が知らなかった機能に気がつき、いざ試してみるとこれまでの利用方法が馬鹿馬鹿しくなるほど楽になることもある。これはこれで、損をしていたような、少々シャクな気分になるのも事実(笑)。
やはり一番良いのは買った時点でざっとでも良いから一通り目を通し、その上で何かあった時に「説明書のどのあたりに書いてあったのか」を思い起こせればラッキー、というパターンだろうか。
機能に限定した
シンプル機能なケータイも
ニーズがあるかも?
ちなみに若年層ほど「(不明な点があっても)説明書は読まない」の割合は大きく、20代では15.1%という高い値を示している(この値は「説明書は捨ててはいないがどこにいったのか分からない」の割合に近い)。機能限定型の携帯電話は壮齢者向けのものばかりだが、今後若年層向けに「若年層がよく使う機能に限定したモデル(=説明書がほとんど必要ない)」を登場させる、というのもアリなのかもしれない……あるいはそれが「iPhone 3G」なのだ、という考えもあるが。
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