大地震が「いずれ発生する」と思う人9割強、それでも「何も準備していない」人が3割を超える
2008年09月01日 08:00
iMiリサーチバンクが8月25日に発表した震災対策の実体調査結果によると、「いずれ大きな地震が発生する」と考えている人は9割を超えているにも関わらず、地震に備えて何も用意していない人が3割を超えていることが明らかになった。いつか起きうることは分かっていてもその日取りが特定されていないと、「ずっと起きない」と勘違いしてしまう考え方をしている人が少なからずいることがうかがいしれる(【発表ページ】)。
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今調査は8月15日から20日の間、インターネット経由で20歳から59歳の会社員・公務員に対して行われたもので、有効回答数は1721件。男女比・年齢階層比などは非公開。
日本全土を一様に、いちどきに大地震が襲う状況は想定しにくい。昨今では情報伝達の手段が発達しているだけに、自分の居住地区以外のところで地震が発生してその様子が伝えられると、「地震はいつでも起きうる」という再認識をする一方で、「あくまでも映像の向こう側での出来事であって、自分の足元では起きない」という希望的観測・錯覚・誤解を招きがちである(「劇場化現象」とでも呼ぶべきか)。
今調査においても、「自分の居住している地域に大地震が発生すると思うか」という問いには、1~5年以内に発生しうるという回答が合わせて3割近く、5年以内の近い将来ではないが、いずれ発生するという人が6割を超えていた。
自分の居住している地域に大地震が発生すると思うか
両者を合わせると、実に93.7%もの人が「そう遠くない将来、大地震が自分の住んでいるところでも発生するだろう」と考えていることになる。
このように「ばくぜんとした」緊張感・危機感を持ちつつも、地震対策をしている人はさほど多くない。そのあたりの事情は【非常用品を揃えている人約3割・他人任せが見え隠れする「災害への備え」】でも触れたが、「万が一何かあっても他人様や公共機関に頼れば良いや」という依頼心が見え隠れしているものと思われる。
家庭における震災対策(複数回答)
例えば非常用持ち出しグッズを常備している人は28.3%。上記参照リンクの記事の調査結果である「約3割」とほぼ同じ値を示しているのが興味深い。また、家具などの転倒防止措置が意外に取られていないことも分かる。実際に大きな地震があるたびに家具の転倒による事故が問題視され、多種多様な防止器具も発売されているのだが、面倒くささからか実装している人はさほど多くない。何より、「何もしていない」人が35.5%と4割に届かんばかりであるのが驚き。
今調査では職場における「備え」についてもたずねており、その上で「家庭と職場、どちらが備えが十分か」という質問もしている。両方とも十分な備えをしていると回答したのはわずか2.9%に過ぎず、逆に両者とも不十分との答えは42.7%に達していた。
職場における備えは個人の力ではどうにもならないことが多いが、家庭での備えなら自分が認識をしっかりと持ち、行動を起こす意欲さえあれば、今日からでもやれることはあるはず。「備えあれば憂いなし」の言葉を肌身で感じられるような、十分な「備え」を目指したいものだ。
(最終更新:2013/08/03)
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