中流意識の減退か・「生活が苦しい」全体の6割に迫る勢い

2008年09月10日 08:00

苦しい生活イメージ厚生労働省は9月9日、2007年における国民生活基礎調査の概況を発表した。それによると、暮らしの状況について「苦しい」と答えた世帯の割合は57.2%に達し、6割近くに及んでいることが明らかになった。これは6年連続で過去最高を記録しており、10年連続で過半数を超えていることになる(発表ページ)。

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今調査は国民生活の基礎的事項を調査し、校正労働行政に役立てる資料を得ることを目的としたもので、基本的に毎年行われている。調査対象は無作為抽出された全国の世帯で、有効回答数は世帯票・健康票が22万9821世帯、所得票・貯蓄票が2万3513世帯、介護票が5495人分。調査票の配布・受け取りや面接方式によって行われている。

生活意識の状況について、どう感じるかを尋ねたところ、2007年においては「大変苦しい」「やや苦しい」をあわせて57.2%となり、過半数を超えていた。

生活意識別世帯数の校正割合の年次推移
生活意識別世帯数の校正割合の年次推移
この6年で
「苦しい」は3.4%増加
「普通」は3.5%減少
→「普通」意識が少しずつ
「苦しい」に!?

「大変苦しい」「やや苦しい」共にカンマ数ポイントの割合だが毎年増加する傾向にあり、この両者を足した「苦しい」派は増加の一途をたどっている。6年連続で過去最高を記録しているのは図から見たとおりだが、「ややゆとりがある」「大変ゆとりがある」の「ゆとり」派はほとんど違いがなく、「普通」派が少しずつ数を減らしているのが分かる。

対象となる人物自身が「普通」から「苦しい」派に移行したことを意味するものではないが、昨今においては「普通」意識がじわじわと減少し、その分「生活が苦しい」と考えている人が増加しつつあるようすが見て取れよう。「一億総中流」時代も、実は前世紀でおさらばしていたのかもしれない。

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