「ここんところをやく60度の角度で殴るのがこつよ」~家電が不調の時に「叩いたことがある」人は約6割

2008年09月13日 12:00

故障イメージ情報サイト「ブロッチ」などを展開するアイシェアは9月12日、トラブルを抱えた家電品に対する対処法に関する調査結果を発表した。それによると家電品の調子が悪い時に叩いて直した経験がある人は全体の6割近くを占めていることが明らかになった。ただしその「成果」は一時的であることが多く、大抵は同じ症状が再発する場合が多いようだ(【発表リリース】)。

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今調査は8月29日から9月1日の間、無料メール転送サービスCLUB BBQの登録会員に対して行われたもので、有効回答数は464人。男女比は54.7対45.3。年齢構成比は20代14.2%、30代47.4%、40代28.2%、その他10.1%。

家電商品の調子が悪くなった時に、民間療法的な対処法として最もよく使われるのが「叩いて直す」というもの。今記事のタイトル「ここんところをやく60度の角度で殴るのがこつよ」は、国民的漫画『ドラえもん』において、主人公のび太の家のテレビが壊れた時、母親がこう言って実際に叩いて直してしまったというエピソードの時のセリフ。それほど「叩いて直す」方法は広く世間に知られていることが分かる。

この「叩いて直す」方法を使ったことがある人は全体の約6割に達していた。

テレビや冷蔵庫などの家電の調子が悪い時、叩いて直したことはあるか
テレビや冷蔵庫などの家電の調子が悪い時、叩いて直したことはあるか

年齢や性別による多少の差はあれど、際立った違いは見受けられないようだ。なおこの回答は、「直そうとしたことがある」(=叩いただけで直ったかどうかは分からない)ではなく「直したことがある」(=叩いて直した)であることに注意。約6割の人が「叩き法」で「修理」を成し遂げた経験がある、と言い換えることもできるわけだ。

では叩いたことがある家電はどのようなものだろう。上位五位は次の通り。圧倒的にブラウン管テレビが多い。

叩いて直そうとしたことのある家電
叩いて直そうとしたことのある家電

同じテレビでも液晶テレビが2.5%しかいないのに対し、ブラウン管テレビは7割強に及ぶ人が経験している。リモコンやラジオなど構造的にデジタル色が弱いものに「叩いて直される」傾向が強いようにも見えるが、パソコンも上位に顔を見せているので一概にはそういいきれないかもしれない(あるいはパソコンも、内部部品にトラブルがある、という認識なのだろうか)。

それでは実際に家電品を叩き、症状は改善する(=直る)のだろうか。叩いた後の状況について尋ねたところ、7割近くが「一時的に直った」と答えている。つまり現状回復には成功したが応急処置(!?)に過ぎず、事態の根本的解決には至らなかったというわけだ。

テレビや冷蔵庫などの家電の調子が悪い時、叩いて、結果として直ったか
テレビや冷蔵庫などの家電の調子が悪い時、叩いて、結果として直ったか

完全に直った人は約1割、直らなかった人は2割強に及ぶ。そしてごく少数だが、「壊れてしまった」という、漫画のオチのような経験をした人もいる。


各事例の状況によって異なるが「叩いて直る」場合の多くは、長年の使用などで部品同士の接触がゆるくなり不具合が生じているところへ、叩いた時の振動がきっかけでその接触が元に戻るため、とされている。叩かれて気合を注入された家電が、やる気を取り戻したわけではないので注意が必要だ。

映画『アルマゲドン』ではあるシーンで、主人公たちが搭乗している宇宙船に致命的トラブルが生じた際、ロシア人宇宙飛行士レヴ・アンドロボフが「ロシア式修理法」と称して故障部分をぶっ叩いて直す(!)という描写が見受けられる。本当に宇宙船のトラブルで「叩く」ことにより修理が可能なのかどうか、ロシアでは本当に宇宙飛行士に「宇宙船の修理方法」として問題箇所を叩くことを教えているかどうかは不明だが(笑)、「叩いて直す」という方法は、どうやら世界共通のようである。


(最終更新:2013/09/06)

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