「ケータイ選挙投票」賛成は4割強、実施されたら過半数が利用する

2008年09月28日 12:00

投票イメージネプロジャパンは9月26日、携帯電話とインターネット投票に関する調査結果を発表した。それによると選挙などで「携帯電話による」ネット投票が導入されたとしたら利用する、と考えている人は全体の過半数に達していることが明らかになった。利用しない意向を持つ人は2割にも満たず、少なくとも携帯電話を積極的に利用している層の中では「携帯電話による選挙投票」には好意的な意見を持つ人が多いことが分かる(【発表リリース、PDF】)。

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今調査は携帯電話の公式サイト「ザ★懸賞」上で9月4日に行われたもので、有効回答数は3964人。男女比は43対57で、年齢階層比は30代がもっとも多く44%、20代が30%、40歳以上が24%など。携帯電話で懸賞サイトにアクセスするという、多少なりとも「コア(携帯電話の利用頻度、経験が長い)携帯電話ユーザーを対象とした」調査結果であることを念頭に置く必要がある。

前提条件として「選挙などで携帯電話からのネット投票を行うことに賛成か反対か」という問いには、43%が賛成と答えている。

携帯電話からのネット投票に賛成か反対か
携帯電話からのネット投票に賛成か反対か

反対は18%と少数派。またどちらでもないが4割近くを占め、具体的なイメージが沸きにくいことを表している。アニメの登場キャラクタや芸能人の人気投票とはワケが違う。想像がしにくいのも理解はできる。

それでは仮に、選挙などで携帯電話を用いたネット投票が導入されたら、利用するか否か。これについては、より肯定派が増えて、「利用する」「どちらかといえば利用する」をあわせ過半数が「利用する」派という結果が出た。

選挙などで携帯電話によるネット投票が導入されたら利用するか
選挙などで携帯電話によるネット投票が導入されたら利用するか

興味深いのは、性別・年齢階層別の「利用する」派の度合い。通常の携帯電話関連の調査では「男性より女性」「壮齢・高齢層より若年層」の方が利用頻度が高く、携帯電話への傾注度も大きいという傾向がある。ところが選挙で携帯電話投票が導入された場合、「利用する」意思を持つ人は「女性より男性」の方が高い傾向を示している。

選挙などで携帯電話によるネット投票が導入されたら利用するか(男女別)
選挙などで携帯電話によるネット投票が導入されたら利用するか(男女別)
選挙などで携帯電話によるネット投票が導入されたら利用するか(年齢階層別)
選挙などで携帯電話によるネット投票が導入されたら利用するか(年齢階層別)

また、「利用する」だけに限定すれば、年齢階層別でも「壮齢・高齢層」ほど利用意図が高くなる。

高齢層ほど「利用する」が多いのは
投票する時間を節約できるから!?

選挙以外の調査項目が無いので明確な理由付けを探すのは難しいが、調査母体があらかじめ「携帯電話にある程度精通している」と絞られているため、純粋に「選挙≒政治に興味関心が深い人ほど利用意向が高い」のでは、と推測できる。また、年齢階層別に限れば、多忙さやおっくうさといった個人ベースの時間のあるなしと照らし合わせ、「わざわざ投票所に行かなくても済むのなら」と考える人が、(年とともに忙しさを増す)高齢層ほど増えるのかもしれない。


会員制を導入しているファンクラブのサイトや、エンターテインメント系の情報サイトならいざ知らず、選挙権を行使する投票を現行の携帯電話システムで行うには、あまりにリスクが大きく、また技術も十分ではない。台数的にはほぼ「国民一人につき一台」の域に達した携帯電話ではあるものの、それを使った選挙の投票は現実問題として不可能といえる。

しかし将来的には何らかの形で個人を特定できるパーソナル端末化した携帯電話かその類(例えば住民基本台帳のデータを読み込ませて個人を特定した場合にのみ使用できる機能とか)で、何らかの公民権行使が行える仕組みが登場することだろう。その時には選挙の様相も大きく様変わりするに違いない。

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