【更新】リーマン・ブラザーズの日本法人、民事再生法適用申請・負債総額は3兆4000億円
2008年09月17日 08:00
先に【米リーマン・ブラザーズ、破産法申請・買収交渉など決裂のため】でお伝えしたように、アメリカで第四位の証券銀行リーマン・ブラザーズがアメリカ連邦破産法第11条(日本の民事再生法に相当)の適用を申請したことを受け、同社の日本法人にあたるリーマン・ブラザーズ証券は9月16日、東京地方裁判所に民事再生法の適用を申請し、同日資産の保全命令を受けた。負債総額は約3兆4000億円。同日、持ち株会社のリーマン・ブラザーズ・ホールディングスも民事再生法適用の申請をしており、こちらの負債総額は5159億7300万円となる([発表リリース、PDF]、[帝国データバンクのリリース])。
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同社はリーマングループのアジア拠点として1974年に設立された支店から事業譲渡を受けて設立されたもので、リーマン・ブラザーズにおける三主要拠点の一つ(他はニューヨーク・ロンドン)として位置づけられていた。各種有価証券や関連金融商品の売買やコンサルティング事業など、多彩な金融事業を展開し、2008年3月期の当期利益は124億2600万円を計上。
しかしアメリカの本社がサブプライムローン問題に端を発する金融信用不安・収縮で大きな損失を受け、結果として株価急落などを経て事実上の倒産。日本法人に当たる同社も、金融庁から金融商品取引法に基づく業務停止命令を受けるなどした上で、連鎖する形で民事再生法の適用を申請することになった。
なお同社における負債総額3兆4000億円は、2000年10月に倒産した協栄生命保険における負債総額4兆5297億円についで戦後2番目の大型倒産となる。
同社の桂木明夫社長は16日夜、東京都内で記者会見を行い、負債総額3兆4000億円のうち2兆2000億円が、手持ちの国債などを担保にした借り入れであることを明らかにしている([NIKKEI NeTなど])。また、本国やヨーロッパの法人と協議しつつ、日本の金融機関を含む国内外の幅広い金融機関を対象に支援先を探し、独自の再生計画作りを急ぐ方針を表明している。
アメリカの証券銀行大手としては、第五位の規模であったベア・スターンズが3月に第二位のモルガン・スタンレーに買収。第四位のリーマン・ブラザーズは今件にあるように事実上の倒産に追いやられ、それとほぼ時期を同じくして第三位のメリルリンチがバンク・オブ・アメリカに買収を受けているように、上位五位中下から数えて三社までもがさまざまな形でその命運を閉じていることになる。第二位のモルガン・スタンレー、第一位のゴールドマン・サックスは現在のところ堅調そのものだが、[NIKKEI Net]にもあるようにトップを行くゴールドマンですら、利益を大幅に減らしている。
事実上アメリカ発ともいえる金融信用不信問題は、アメリカの証券銀行業界の再編をもうながしつつあるようだ。
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(最終更新:2013/08/03)
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