【更新】「証券税制優遇措置」2年間延長要請へ

2008年09月17日 08:00

株式イメージ[NHK]が伝えるところによると日本証券業協会が9月16日、証券税制において現在施行中で今年一杯で期限をむかえることになる証券税制優遇措置について、期間を2年延長するよう要請する決定をしたことが明らかになった。さらに60歳以上の投資家については配当や売却益を非課税とすることも求めるという。

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証券税制は現状配当も売却益も通常税制の半分である10%が課せられている。しかしこれは今年一杯で終了。来年からは2年間が特例期間として「配当は年間100万円まで10%・それを超えると20%」「譲渡益は500万円まで10%・それを超えると20%」となり、以降は全部20%に変更となる。その他課税方法の選択など、非常にややこしい税制制度が導入される予定(【詳しくは「再確認:証券税制はどう変わる?」参照】)。

しかし今税制では現状よりも投資家が不利になるのは必然的で、投資家の市場離れが懸念されており、未だに反対の意見も多い。さらに昨今の株式市場の軟調さ、さらにはリーマン・ブラザーズの破綻などで市場環境はますます悪化の一途をたどり、ここで証券税制を強行に「改悪」しては、投資環境と事態を悪化させるだけであるとし、現制度の2年間延長を求めることを決めたという。また、一分自民党内で持ち上がっている証券税制改正案に沿う形で、「60歳以上の投資家には配当・売却益を非課税とする」ことも求めていくとのこと。

先の[NIKKEI Net]の報によれば、16日の決定を経て「投資信託協会や全国の証券取引所と共同発表する」という記述が見られる。恐らく日本証券業協会内サイトでは[証券業報ページ]、その他取引所の公式ページでも数日中に正式に公開・発表されるものと思われる(去年の分はやはり証券業報上の9月分のページに[PDFファイルとして掲載されている])。

証券税制は現状でも世界的に見て「劣っているレベル」であり、これ以上投資家のハードルを高めてどうするつもりだ、という意見が金融関係者においては多数を占めている。少なくとも現状維持は切実されてしかるべきだろう。また、事情は理解できるが高齢者のみに非課税措置を取るのは、逆差別にあたるのではないかという意見も多い。ともあれ詳細な内容は、正式発表を経て精査することにしよう。


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【「証券優遇税制廃止してれば7800億円超の税収増」にダウト!?】

(最終更新:2013/08/03)

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