20代も4割が注目・シンプル携帯電話の意外な人気
2008年09月26日 06:30
情報サイト「ブロッチ」などを展開するアイシェアは9月25日、携帯電話の機能に関する調査結果を発表した。それによるとスマートフォンや多機能の携帯電話など、「時代の最先端を行くような機能盛りだくさんな携帯電話」と、らくらくホンに代表されるような「シンプルな機能のみの携帯電話」のどちらに注目するかについて、全体では6割近くが「スマートフォンや多機能携帯電話」を選択したことが明らかになった。逆に言えば4割強がシンプル携帯電話に注目していることになる。若年層にもかなりのシンプル携帯支持層がいるのは意外な結果といえる(【発表リリース】)。
スポンサードリンク
今調査は8月27日から8月29日の間、無料メール転送サービスCLUB BBQの登録会員に対して行われたもので、有効回答数は801人。男女比は54.2対45.8。年齢構成比は20代17.5%、30代48.3%、40代20.9%、その他5.2%。
利用者の要望に応える形で、新技術が開発されたから、宣伝戦略の都合で、などさまざまな理由はあるが、携帯電話には日々多種多様な機能が追加されている。機能が盛りだくさんなのはありがたい話なのだが、【ケータイの 分厚いマニュアル 読む人は わずかに3割 「放棄」も1割】にもあるように、機能充実に伴って正比例でかさむ説明書の厚みにうんざりして目を通さなかったり、捨ててしまう人もいるほどだ。
それでは「スマートフォンや多機能携帯電話」「シンプル携帯電話」の二者択一とした場合、どちらに注目が集まるのだろうか。結果としてはやはり前者の支持者の方が多い形となった。
スマートフォン・多機能携帯とシンプル携帯、あなたはどちらに注目していますか
機械系のアイテムに共通する傾向として、男性よりも女性の方が合理的・シンプルなものを求める場合が多い。今件でもやはり女性の方が「シンプル携帯」を選ぶ割合が多かった。また、年齢階層別では年を経るにつれて「シンプル携帯」の支持率が上がっていく。「そんなに山ほど機能があっても使いきれるわけじゃないし」というのが本音なのだろう。
面白いのは20代でも4割近くが「シンプル携帯」を選択していること。機能の豊富さはむしろ若年層向けとして企業側もアピールしているのに、それを支持しているのは6割強に過ぎない。企業の思惑と利用者の意向が必ずしも一致しているわけではない、ということか。
それでは「シンプル携帯」を選んだ人は、どうしてそちらを選んだのか。複数回答で尋ねたところ、全体では「機能が少なければ割り安」「最低限の機能だけでOK」という現実感あふれた、あるいは冷静な考えから導き出された回答が多数を占めた。
なぜシンプル携帯を選んだのか
全体だけでなくどの年齢・性別でも「最低限の機能だけあればよい」「使わない機能があって、その分割安」が多数を占めている。自分自身の携帯電話の利用スタイルを把握し、その上で「無駄な機能が多すぎる。どのみち使うわけじゃないのに」と判断した人がシンプル携帯に注目しているのだろう。
先の「男性よりも女性の方が合理的・シンプルなものを求める場合が多い」に習うように、「多機能携帯は機能が複雑すぎる」という意見は男性よりも女性の方が多いのは分かる。しかし気になるのは年齢階層別に見ると、壮齢層よりむしろ若年層の方が「多機能携帯は機能が複雑だ」と考えている割合が多いこと。あくまでも「シンプル携帯を選んだ人」を母体としているため全体に対する割合ではないのだが、それでも若年層ほど「多機能・ごちゃごちゃ」を強く嫌う傾向があることには、多少なりとも驚かざるを得ない。
「シンプル携帯はごちゃごちゃした機能を求めない壮齢層向け」というイメージが強い。らくらくホンなどの実機における広告展開を見ればそれは一目瞭然。しかし、若年層ほど多機能携帯を求めている人が多いことには違いないが、以外に多くの若年層が「機能の多さにうんざりし、シンプルな携帯電話」を求めている可能性があることを、今回のデータは示唆している。
本来ならデスクトップパソコンのように、定型仕様もののラインアップを充実させると共に、基本仕様のみのものに購入予定者が好きな機能を足し引き出来る、そのような携帯が望ましい。いわば「オーダーメイドケータイ」というわけだ。規格や販売戦略、端末そのもののサイズを考えると現状では難しいが、将来にはそのような携帯電話の登場もありえるだろう。
スポンサードリンク
ツイート