【更新】ネット広告代理市場、2007年度は4000億円、来年度は4900億円にまで増大か
2008年09月06日 12:00
情報技術専門調査会社のミック経済研究所は9月4日、インターネット広告とウェブの開発事業の市場における現状と将来に関する市場規模調査結果を記した「ネット広告&Webインテグレーション市場の現状と展望2008年」を発行し、そのデータの一部を公開した。それによると、インターネットの広告枠を広告主に販売する「ネット広告代理店」主要50社の売上は2007年度において、前年度比25.1%の2242億円にのぼったことが明らかになった。インターネット広告代理市場全体では4000億円に達し、2008年度には4900億円、2011年にはその規模が7100億円にまで増大すると推定している([発表リリース])。
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インターネット広告代理市場全体の市場規模と、伸び率の推移
今調査ではネット専業広告代理店・総合広告代理店25社を対面取材、25社を公開IRデータや電話取材で調査、合計50社の主要ネット広告代理事業者の市場規模とそのトレンドを分析。それを元にインターネット広告市場そのものを推定している。
それによれば他の広告メディアと異なりROI(投資対効果、要は使ったお金に対してどれだけの効果が得られるのか、その効率)が明確に分かるということで優位性を持ち、今後さらにマスメディア広告からインターネット広告へのシフトが進んでいくと推測。2007年度においては4000億円だった代理市場規模が、2011年度には7100億円にまで増加すると推定している。
増加率は規模の拡大・浸透と共に減少していくが、それでも2011年度の時点でも108.6%と10%近い伸びを見せており、しばらくの間は「成長株」として注目されうる状態であることがわかる。ちなみにグラフ化は略するが「主要50社」の売上高は2007年度で前年同月比125.1%、2011年度で111.0%。ミック経済研究所では今後インターネット広告代理市場は寡占化が進むものと推定していることになる。
なおこれは「代理店経由」の市場規模。広告出稿主が直接サイトに出稿するパターンをあわせて考えると「インターネット広告全体の市場規模」はこの値にさらに上乗せされることになる。
既存媒体の広告費を削減し、(携帯電話をも含めた)インターネット広告費を増やす傾向は、すでに【ネットやケータイ増やしてテレビや新聞、雑誌は削減・今年の広告費動向】や【インターネット広告の影響力の拡大を図式化してみる】など多数の調査データや推定で伝えられている。伸び率には調査機関によってばらつきがあるものの、高い成長率が見込めることでは意見が一致している。特に既存媒体より「費用対効果」が分かりやすいのが最大のポイント。世間一般の流行りすたりという観点だけでなく、企業側も分かりやすく無駄使いしなくても済むようなお金の使い方を模索しつつある、ということなのだろう。
(最終更新:2013/08/03)
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