2007年の飲料市場は前年度比で+1.8%・猛暑で需要が増加

2008年09月26日 06:30

飲料イメージ民間調査会社の矢野経済研究所は9月22日、日本国内における飲料市場の調査結果レポート「2008年版 飲料市場の現状と展望」の販売を開始し、その一部を公開した。それによると、2007年度の飲料市場は全体で5兆0100億円に達し前年度比で101.8%と3年ぶりに拡大したことが明らかになった。2008年度については約0.4%増の5兆0400億円と予想している(【発表リリース、PDF】)。

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今調査結果は6月から8月の間、飲料メーカーや販売企業、自販機オペレーター、業界関連団体、官公庁などに面談や電話・電子メールを用いた調査、さらには文献調査などを併用して推定したもの。

2007年度の結果と2008年度の予想に関する概要は次の通り。

●2007年度
・3年ぶりの猛暑で飲料全体のニーズが拡大、コーラ飲料(ゼロカロリー商品)やブレンド茶の躍進。特にコーラやミネラルウォーター(自然・健康・無糖がセールスキーワード)は2ケタ台の伸び。
・緑茶は種類が飽和状態で減少。
・一方で飲用牛乳は減少傾向に歯止めかからず(牛乳・乳飲料「を除いた」伸び率は3%強)・コスト高が頭を抑える。

●2008年度
・原材料高や原油高騰による輸送コストの増大が負担。
・消費者人口の減少を見据えて、同業他社、さらには他業種との業務提携、資本提携の動きが進む。弱肉強食の時代か。


飲料総市場の市場規模推移
飲料総市場の市場規模推移
主要品目別の市場規模と前年度比によるポジショニング(メーカー出荷ベース)
主要品目別の市場規模と前年度比によるポジショニング(メーカー出荷ベース)

飲料業界は天候に左右されるところが大きいが、去年は特に猛暑の影響が全体的に良い動きをもたらしてくれたようだ。下のポジショニングの図を見ると、特にコーラ飲料とミネラルウォーターが躍進しているのがよく分かる。また日本茶やコーヒードリンクは伸び率こそ低いが、市場規模的には鉄板レベルの大きさを見せている。しばらくこの二者の牙城は崩せまい。

一方規模的にはコーヒードリンク・日本茶と同じ立ち位置にいるはずの飲料牛乳が、非常に気まずい場所にいるのが分かる。研究所の分析レポートにおいてはカテゴリー化された飲料の中では唯一、前年度比でマイナスを示している。しかもその値はかなりのボリュームであることが分かる。乳製品(チーズやバターなど)の品不足・高騰が叫ばれ、牛乳もじわじわと値上がりの様相を見せる中、この「牛乳離れ」の動きはさらに加速しかねない。

飲料業界全体においても、資源・燃料高や市場規模の縮小で、再編が進んでいる。そのような状況下においては、牛乳業界はより素早い、そして大胆な改革が求められることだろう。

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