1297万8189桁・読み上げるだけで150日~UCLAが史上最大の素数を確認

2008年09月29日 08:00

素数イメージ【BBC NEWS】が伝えるところによると、アメリカのカリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)は8月23日に、1297万8189桁にも及ぶ、今まで発見された中では最大の素数を見つけ出した。その素数は「2の4311万2609乗-1」。1秒で1桁読み上げたとしても、丸々150日かかる長さの値である(【発表ページ】)。

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素数とはその数自身と「1」のみで割ることができる数字のこと。例えば「5」は「5」自身と「1」でのみ割れるので素数だが、「6」は「6」自身と「1」以外に「2」や「3」でも割れるので素数ではない。

今回発見された素数は、10万台ものコンピューターをインターネットでつないで分散処理を行い、「2の×乗-1」で表現できるメルセンヌ(Mersenne)素数を発見しようという国際的なプロジェクト「GIMPS(Great Internet Mersenne Prime Search)」の成果によるもの。同プロジェクトのサイトのページには【発見された具体的な素数の紹介ページ】もあるが、素数そのものの全文は長すぎて圧縮ファイル化されているほど。

今回、現時点で最大の素数を発見したUCLAは75台のコンピュータを参加させ、素数の発見を行うことができた。同グループには電子フロンティア財団(the Electronic Frontier Foundation)から賞金の10万ドル(1050万円)が贈呈される。UCLAではこのうち半額の5万ドルを受け取り、残りのうち2万5000ドルは自然事業に寄付され、2万5000ドルは他の大きな素数を発見した6グループに贈呈するという。

UCLAの研究グループの一人Edson Smith氏は、今回の受賞に際し次のように述べていたとのこと。

今回の成果は素晴らしいものだが、それはそれ。私たちはすでに次の「もっと大きな素数」を探しているんだ。
(Now we're looking for the next one, despite the odds.)


読み上げるだけで半年かかる素数を発見して、何か人類の科学技術に貢献するのかと問われれば正直疑問がないわけではない。しかし山登りと同じように、「そこに素数があるから」こそ、彼らは新しい、もっと大きな素数を捜し求めているのだろう。

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